小説とアニメ、どちらも楽しめるほろ苦い青春の日々に起こる日常ミステリー作品「氷菓」

氷菓の小説とBlu-ray BOX

どちらかといえば、アニメ好きな私ですが、小説とアニメ、どちらも指折りで好きな作品が「氷菓」です。

目次

氷菓

高校を舞台にした日常ミステリー作品。

殺人事件や大掛かりなトリックを暴く探偵小説ではないが、ひとたび読み始めると青春時代のほろ苦さ、甘酸っぱさを噛みしめながら、何気ない日常のミステリーがゆっくり解かれていく。

決して、テンポの速い作品ではないが、そのゆっくりさがミステリー作品にある謎へと引き込んでくれる。

原作

原作小説は、「満願」「王とサーカス」の著者、米澤穂信さんのデビュー小説。第1作に続く一連の物語は、古典部シリーズとよばれ、2012年にアニメ化されました。

第1作の「氷菓」は、

何事にも積極的に関わらないをモットーとする折木奉太郎は、高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。さらに、そこで出会った好奇心少女・千反田えるの一言で、彼女の伯父が関わったという三十三年前の事件の真相を推理することになり――

角川文庫より

古典部という聞きなれない部活内容も謎である。そこで出会ったヒロイン千反田えるによって、主人公折木奉太郎の行動が変化していくところも面白い。

小説は、現在6巻まで出でいて、「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠まわりする雛」の4巻までが、アニメとして放送された。

ここまでは、高校入学から1年間を追ったストーリーになっている。

5巻「ふたりの距離の概算」と2016年末に発売された最新巻「いまさら翼といわれても」は、高校2年次になってからの話となっている。

小説は、主人公の視線でモノローグ調に近い形で表現されている。場面によっては、他の登場人物と切り替わることで、世界の視野が広がって情報量が増えていく。

この表現は、アニメにも踏襲されて、原作の雰囲気が存分に味わえるものとなっている。

小説とアニメの比較

アニメーション制作を手がけているのは、原作を忠実に再現し、絵としてのクオリティーも文句ない京都アニメーション。

まるで、実写映画を見ているように空気感すら伝わってくるほど。その世界の土台として支える背景美術だけでなくカメラワークも飽きさせない画作りにも注目して見てもらいたい。

特に、画面上での人物の配置や絵としての切り取り方は、一時停止して見ても気持ちいい。ずっと見ていたくなるほど、レイアウトはいいものである。

時代設定

アニメ版は、原作より現代に近く設定されている。

はっきり分かるのは、携帯電話がスマホになったところくらいだろうか。

台詞回しでは、小説の年代より数字が増えているくらいだ。

アニメーション独自の表現

物語に大きな差異は見られない。一部削られたシーンやシーンの前後などはあるが、納得の行く描写に文句はない。

セリフでながなが説明するところは、ミステリー小説によくある。
それをそのまま映像にすると、だらだらとしたシーンになりがちだが、アニメ版では長いセリフがあっても、そのセリフに付随する情報をアニメーションで描写している。

これは、小説のト書きにも書かれておらず、アニメでしか見られない表現となっている。

たとえば、時系列を説明する際には、時間割表をリズミカルな動きとサウンドでコミカルに表現している。
いくつかの仮定を説明し、ある理由によってダメになる場合には、バツ印がついたり、前後がころりとひっくり返ったりする。

言葉から入ってくる情報と目から入っている情報で、より分かりやすい内容となっていた。

まとめ

小説古典部シリーズとアニメ「氷菓」は、どちらも楽しめる作品。比較しながら見ても、面白いと思える作品です。

大掛かりな事件はないが、心の隅をつくような青春時代のチクチク感に触れつつ、日常で起きるミステリーではあるが、実は奥深い物語の多い作品。

どうして、「氷菓」というタイトルがついているのか、ぜひ1巻「氷菓」読みながら、アニメを見てながら、推理してみてはいかがでしょうか。

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