一文物語アーカイブ– category –
-
一文物語アーカイブ
一文物語365 2017年6月集
一文物語 1 雨の日、ボウリングで一球目を投げて二本サイドに残してしまい、どう倒そうか考えているところに、球が戻ってきたが、ぐっしょり濡れて出てきた。 2 晴れの... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2017年5月集
一文物語 1 世の時計は、針が取り外されてただの文字盤だけが残り、ガラス板の中のデジタル表示もただの数字の羅列となり、成果はいますぐ出されるので、時間は必要なく... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2017年4月集
一文物語 1 花見客を黙らすため、桜木の花びらがいっせいに落ちたが、一帯が拍手に湧いた。 2 春、羽ばたいて大空へ飛び立つ季節なのに、開け放たれたケージから鳥たち... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2017年3月集
一文物語 1 最近、神様に願い事が届いていないと思ったら、神が何人か集って憧れの戦隊ヒーローゴットを結成したらしいが、誰がレッドになるかで宗派の争いが起きていた... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2017年2月集
一文物語 1 旦那とは宇宙で出会い、淡いピンク色のドレスをまとった花嫁の結婚式で、終始宇宙服に身を包み顔を出さない旦那は、地球人じゃないという疑惑が式中、作られ... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2017年1月集
一文物語 1 酉が卵を運び落としていき、パカーンと今年が生まれ始まった。 2 やさしい声、伸ばした手、人のぬくもりが届かなかった者の苦しみで凍った世界の空が、初日... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年12月集
一文物語 1 大地が雨風に侵食されて削られ、芸術的な丸るさを帯びるように、ただ普通でいたい青年も名前のない人々の辛辣な言葉に身を削られている。 2 作家をタクシー... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年11月集
一文物語 1 若くして母になれなかった女は、その生涯を終えるまでずっとシャボン玉を吹きつづけていた。 2 彼は、あっ、このズボンは以前に、と恐怖の記憶がよみがえり... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年10月集
一文物語 1 この世をしっかり歩くには、道が細くもろいので、彼はつま先立ちでそうっと歩いている。 2 鏡の前で、気づいて、後ろにいるのを、というメッセージを受け取... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年9月集
一文物語 1 ついに完成した海中列車の先頭は魚の頭で、内装はどんな水圧にも耐えて客室をしっかり守るあばら骨工法のくじらを輪切りにしたような体内デザインだが、トン... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年8月集
一文物語 1 人が首吊りしている展示物の周囲には、多くのギャラリーができて人気を博しているが、作家はそれを飾った覚えがないと首をかしげている。 2 月まであまり費... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年7月集
一文物語 1 どしゃぶりの雨のせいで、魔の海となってしまった長靴を履いている少女が泣いている。 2 魂を込めて書くことで字は生きだし、彼は死んだ恋人の名前を書き連...