Mac向け「薙刀式」入力ver.15Fix版令和6年4月修正Karabiner-Elements用 導入方法
日本語かな入力「薙刀式」をMacで実現する「Karabiner-Elements」用の修正版ファイルを作りました。
もとはGitHubにアップされていた「ver.15 Fix版」設定ファイルです。「編集モード」のキー配列が、「ver.14」のままだったので、「編集モード」も「ver.15 Fix版」に合わせる形で、修正しました。
Dropboxにアップしているので、ダウンロードして使用してください。
Karabiner-Elements用「ver.15 Fix版」設定ファイルNaginata_v15-R604.json
この記事では、Naginata_v15-R604.json
および関連する内容について解説しています。
- Karabiner-Elementsでの「薙刀式」導入手順
- 設定方法
- ATOKとの動作
- キーボードとの相性(表示されない文字あり)
「薙刀式」の開発者、「Karabiner-Elements」用の設定ファイルを制作してくれた先人方たちに感謝します!
設定ファイル「Naginata_v15-R604.json」について
GitHubにアップされていたものをベースに、「ver.15 Fix版」に修正しています。
【GitHub】tor-nky/KE-complex_modifications-NAGINATA: 薙刀式かな入力(v14)をMac OSに実装します
【GitHub】funatsufumiya/KE-complex_modifications-NAGINATA-v15: 薙刀式かな入力(v14, v15)をMac OSに実装します
主な修正点
設定ファイルNaginata_v15-R604.json
は、「編集モード」キー配列を大幅に修正しています。
- 文字配列「、」を確定する「、」に修正
- 「編集モード」キー配列を「ver.15 Fix版」に修正
設定ファイル「Naginata_v15-R604.json」のファイル命名について
GitHubからダウンロードした元ファイル名は、Naginata_v15.json
でした。
それと区別するために、「R604」を追加しています。
修正したのが、令和6年4月だったので、「元号」と「月」をつけています。
「Karabiner-Elements用」設定ファイルの特徴
縦書き・横書き両方で使用できる
「薙刀式」は、縦書きでの入力を基本に開発されています。
「Karabiner-Elements」用の設定ファイルでは、縦書き・横書きどちらでも動作します。
なにも設定を変える必要がありません。
(使用してわかった)
「――」ダーシについて
「編集モード」の1面にある「――」ダーシは、横書きで入力していても、縦書きのまま表示されます。
例:││
その他の「編集モード」キーは、縦書き・横書きどちらでも動作します。
横書き入力がメインだから、「長音」を割り振って変換するのでもいいかなぁ……
(ひとまず「薙刀式」入力に慣れたら考えよう)
「Karabiner-Elements」での「薙刀式」導入手順
【GitHub】funatsufumiya/KE-complex_modifications-NAGINATA-v15: 薙刀式かな入力(v14, v15)をMac OSに実装します
①「Karabiner-Elements」のインストール
キー配列を変更するためのアプリをインストールします。
「Karabiner-Elements」のサイトからダウンロードして、インストールしてください。
②Macキーボードの種類を追加
「薙刀式」入力する際、「Karabiner-Elements」側で正確に動作させるために必要な設定になります。
[システム設定]アプリを起動します。
[キーボード]-[テキスト入力]-[入力ソース]の編集ボタンをクリックします。
+
をクリック。
①一覧から「英語」-「U.S.」を選択して、追加します。
②また一覧の「その他」から「Unicode 16進数入力」を選択して、追加します。
もし、追加したキーボードが不要になったら、入力ソースのキーボードを選択して、ー
をクリックすると削除できます。
削除したキーボードは、一覧リストに戻るので、ふたたび追加することもできます。
先にも書きましたが、追加した「U.S.」「Unicode 16進数入力」キーボードは、「Karabiner-Elements」が自動的に使用するモノです。
「薙刀式」で入力する際は、ご自身が普段使用している日本語IMEで入力できます。
通常は、Mac標準の「日本語入力」、「Google日本語入力」、「かわせみ」、「ATOK」など。
③設定ファイル「Naginata_v15-R604.json」をダウンロード
設定ファイルNaginata_v15-R604.json
をダウンロードします。
Karabiner-Elements用「ver.15 Fix版」設定ファイルNaginata_v15-R604.json
④「Karabiner-Elements」で、「薙刀式」用のプロファイルを作成
プロファイル機能を使って、「現在の入力環境」と「薙刀式」入力を簡単に変更できるようにします。
現在の入力環境(デフォルト)プロファイルを作成
「Karabiner-Elements」をインストールすると、タスクバーに「Karabiner-Elements」のアイコンが表示されます。
タスクバーの「Karabiner-Elements」アイコンをクリックして、[Settings…]を選択します。
[Profiles]タブをクリックします。
+ Add new profile
ボタンをクリック。
作成された「New profile」のEdit
ボタンをクリックして名前を変更します。
ここでは「Default profile」と名前をつけて、Save
をクリック。
これで現在の入力環境のプロファイルが作成されました。
「薙刀式」入力環境のプロファイルを作成
同じ手順で、「薙刀式」入力用のプロファイルを作成していきます。
+ Add new profile
ボタンをクリック。
作成された「New profile」のEdit
ボタンをクリックして名前を変更します。
ここでは「Naginata profile」と名前をつけて、Save
をクリック。
これで「薙刀式」入力用のプロファイルが作成されました。
「Naginata profile」をクリックすると、プロファイルが切りかわります。
現在のプロファイルが「Naginata profile」であることを確認しておきます。
また、タスクバーの「Karabiner-Elements」アイコンからも、プロファイルを簡単に変更できます。
⑤「薙刀式」入力の設定ファイルのインポート
先にダウンロードしておいた設定ファイルNaginata_v15-R604.json
を、「Karabiner-Elements」に読みこませます。
「Karabiner-Elements Settings」画面の[Misc]タブをクリックします。
[Export & Import]欄のOpen config folder(~/.config/karabiner)
をクリックします。
Karabiner
フォルダが開きます。
assets
–complex-modifications
を開きます。
complex-modifications
フォルダに、設定ファイルNaginata_v15-R604.json
を移動させます。
これで「Karabiner-Elements」に設定ファイルNaginata_v15-R604.json
が読みこまれました。
⑥「薙刀式」入力の設定
「Karabiner-Elements Settings」画面を開きます。
[Complex Modifications]タブをクリックします。この画面で、「薙刀式」入力の設定を行います。
+ Add predefined rule
ボタンをクリックします。
「Japanese NAGINATA STYLE(v15-R604)~」欄にある「A群」「B群」を追加していきます。
まず、「A1: 薙刀式v15 fix版《同時連続シフト拡張》」の横にある+ Enable
をクリックします。
[Complex Modifications]に「A1: 薙刀式v15 fix版《同時連続シフト拡張》」が追加されました。
また+ Add predefined rule
ボタンをクリックします。
- A2: 薙刀式v13以降《編集モード簡便化》
- B: 薙刀式v15 fix版
2つを同様の手順で、追加します。
「A1」「A2」「B」の3つが追加できたら、↑↓
アイコンをドラッグして、上から「A1」「A2」「B」と並び替えます。
注意:上にあるほど、優先度が高くなります。
この「薙刀式」設定ファイルは、上から「A」「B」「C」の順番でないと上手く動作しないので注意してください。
これでが「薙刀式」入力ができる状態になりました。
補足
「B群」1つだけでも「薙刀式」入力は可能ですが、「A1」「A2」を設定しておくことで、より「薙刀式」入力がしやすいと思います(個人の感想)。
「A1」「A2」を外したり、「C1」「C2」を追加して、入力の違いを確かめてみてください。ご自身に合う設定を見つけてください。
ちなみに、「C1:薙刀式《左右シフトかな拡張》」を追加すると、左右のshift
キーをセンターシフト(スペースキー)と同じ動作になります。
ただし、「C1」を有効にしておくと、shiftキーを押したままアルファベット入力ができなくなるので、注意してください。
私は、「A1」「A2」「B」のみで入力しています。この3つで入力しやすくなっています。
動作確認環境
設定ファイルNaginata_v15-R604.json
の入力確認をした私の環境です。
使用するキーボードやIME、テキストエディタによっては、入力挙動が変わる場合があります。
とくに「編集モード」のコマンドには、マクロ(プログラム)が組まれていて、使用環境やエディタによっては、微妙に挙動が変わることがあります。
また、私の環境で「ATOK」のショートカットが起動したり、ロジクール製キーボードで、表示されない文字があったりしました。あとで少し触れています。
私のMac環境
- Mac:iMac Retina5K, 27-inch, 2019
- macOS:Sonoma 14.4.1
- Karabiner-Elemnts:ver.14.13.0
- IME
- ATOK:ATOK for Mac Ver.33.0.2(ATOK Passport プレミアム)
- 日本語入力(Mac標準)
- キーボード
- ロジクール MX Keys mini KX700 (日本語配列)
- ロジクール Wave Keys K820 (日本語配列)
- Apple Magic Keyboard(日本語配列)
「ATOK」のショートカットが起動してしまう問題(解決策あり)
「編集モード」の一部キー操作で、「ATOK」のショートカットが実行されてしまいます。
「編集モード」のマクロが、「ATOK」のショートカットと同じなためです。
「ATOK」の以下2つのショートカットを削除(もしくは変更)することで、問題なく入力できるようになります。
- 文字パレット [^⇧B]
- 単語登録 [^⇧N]
「ATOK」ショートカットの削除は、「ATOK」のメニュー[キー・ローマ字カスタマイズ]から行えます。
[キー設定]からショートカットを変更できます。
もし、[キー・ローマ字カスタマイズ]に変更を加える際は、今使用している設定を複製してから変更しましょう。+
をクリックして、複製できます。
ロジクール製キーボードで、入力できない文字がある
私が使用しているロジクールのキーボードで、入力できない(されにくい)文字があります。
入力できない文字
- じゃ
- びゃ
- でぃ
- 『』
「MX Keys mini」、「Wave Keys」の両方で、入力できません。
ほかの3キー同時押しは、問題なく入力できます。
「Logi Bolt」接続、「Bluetooth」接続のどちらでも変化はありませんでした。
ただ、「Apple Magic Keyboard」だと、普通に入力できます。
おそらくロジクールのキーボード自体の問題なのかと思っています。たまたま「MX Keys mini」、「Wave Keys」で起こることなのか、ロジクールキーボード全体で起こるのかは、わかりません。
「じ」+「ゃ」と1つ1つ入力すれば、いいんですが……
「薙刀式」のスピーディーな入力ではなくなります。
まとめ
「薙刀式」入力に出会って、キー配列だけでなく、機能性も合わせられた魅力にハマってしまいました。
勝手ながら、「編集モード」の配列をver.15に修正させてもらいました。
あらためて、「薙刀式」そのものを生み出してくれた開発者、そしてMac向け「Karabiner-Elements」用に作ってくれた先人、アップデートしてくれた先人たちに感謝します。