リレー小説を書くことで、執筆の楽しみを感じ、互いの創作トレーニングとなった!

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リレー小説「星渡りのオペラ」を書き終え、リレー小説の制作をしてみての経験談をまとめしました。

リレー小説「星渡りのオペラ」は、映像作家の石田徹弥(@tessan27)と私、水島一輝(@kazuki_mizuc)が交互に書いた作品です。

まず、始めた経緯は、小説も書く石田氏から話しを持ちかけられ、互いの物語制作における勉強をしようというところにありました。

そして、楽しんで書く、ということも絶対忘れてはならないことにしました。辛かったら書かないくらいの勢いです。

執筆は、産みの苦しみというくらい辛い時もあるので、2人で楽しく作っていきたいという気持ちが共通してありました。

目次

作品概要

星渡りのオペラ

星渡りのオペラ 鉢巻素

星を渡る少年と不思議な猫が壮大な宇宙で出会う、短編スペースオペラ活劇のリレー小説。

ある男を探し宇宙を渡り歩く少年レンジと、その仲間であり、不思議な猫であるオー。
彼らはある時「情報の消された」惑星、ラヘレに近づいた事で攻撃を受け、ラヘレへ不時着してしまう。

しかたなくラヘレを調査するレンジだが、その星で見たものは異常と思える光景だった……。

小説投稿サイト「カクヨム」で読む

制作形式

プロット

「星渡りのオペラ」は、執筆前にプロットを共同で制作。

リレー小説ではあったが、話がぶれないためにも本作は事前にプロットを作りました。

プロットは、リスト形式で、展開や出来事をメインに順序立てて書いた。

キャラクターの感情については、ほとんど明記していない。

細かい設定も、明記せず、執筆の中で作っていく流れでした。

執筆ページ数

執筆は、規定ページ数3ページを交互に書き進めていく。

1ページ 40文字×34行の設定。

当初は担当回につき3ページ縛りでしたが、一部の回については3ページを越えているところもある。

原稿のやりとりは、執筆ソフトがお互いに違うため、PDFをメールでやりとりしていた。

フィードバックをする

一度書き上げた原稿は読み合わせ、フィードバックを受けて、修正を加えていく。

フィードバックは、2度3度繰り返すこともあった。

フィードバックもお互いの時間を優先し、メールなどでやりとり。

お互いが納得した段階で、その続きを書いていくことにしていた。

制作期間

2016年7月〜2017年4月

執筆後のお互いの感想まとめ

(石田氏との話を水島がまとめている。)

リレー小説制作全体を通して

執筆中の孤独感がなかった

小説を書くことは、たいがい1人であることがほとんどである。出来上がった小説を読んでくれる友人の多くは忙しく、そうそういない。

リレー小説であれば、出来上がった原稿を必ず読んでもらえる。必ず一人の読者が待っていてくれる安心感はあった。

それと、互いの小説を読むのが楽しくて仕方なかった。

待っている間は、出来上がってくるのが待ち遠しかった。

あえて、隙間だらけにしたプロットだったので、プロットには書かれていない設定や動き、展開にワクワクした。

同じ物語を追っているはずなのに、まったく違う表現の仕方にたいへん刺激を受けた。

物語が進むに連れて、互いの想像力が一つになっていく楽しさがあった。

執筆期間が長かったこと

厳しい締切期限を設けることはしなかった。それが楽しく執筆することを阻むかも知れなかったからだ。

ただ、完成に至るまで半年以上時間がかかってしまった。

交互に執筆する期間が短ければ、もっと楽しい制作になったのではないかと思う。

今回のペースでも十分に楽しむことはできたし、良い作品を作ることができたと思う。

もっとペースを上げることができたら、さらに制作体験になると確信している。

リレー小説としての面白さ

小説の中で、執筆の投げ合いをすることがあまりできなかったと感じた。

プロットを事前に作り上げたこともあるが、短編ゆえに物語を追うことに集中してしまった分、つなぎ目での執筆者としての攻防をすることが少なかったなと思った。

しかし、リレー小説をする醍醐味として、人の発想を使うことができるという点については、とても興奮した。

プロットにはなかった設定が登場して、後々、その設定を物語の山場で使用することもできた。

互いに書き足らなかったことを、相互に保管しながら書きあえたことは、とても良い経験となった。

ストーリーについて

プロット制作時、1人では作れない展開を考えることができたことは、とても強みになった。

お互いの持つ世界観が違うため、1人では思いつかない設定やストーリーを練り上げることができた。

お互いの発想や考え方を学ぶ、素晴らしい経験となった。

執筆時においては、設定の足し引きができることも利点だった。

これは、フィードバックの点にも共通するが、最低限の事柄しかプロットには明記しなかったため、担当回で自由に設定を作り出していくことができた。

疑問点や改善点は、フィードバック時に指摘し、担当執筆者がそれを踏まえて修正をしていった。

客観的な目で見てもらえるので、より読者を意識した制作環境になった。

これにより、物語の展開速度の調整や設定の矛盾などをなくすことができた。

キャラクターについて

物語をつくるにおいて、キャラクターが一番重要であると互いに認識することができた。

プロットには、キャラクター情報をあまり盛り込むことはしなかった。そのため、当初はキャラクターのブレが目立つことが多かった。

その点を、執筆を進めていく中で、キャラクターを掴んでいくことができた。これにはついては、やはり先にキャラクターを詳細に作っていくことに意見が一致した。

そして、一緒に書いていくことで、キャラクターの普遍的な性格や表現すべきところが重なって行った。

キャラクターを一緒に作っていくことができ、しっかりとしてキャラクターを生み出すことができたと思う。

「星渡りのオペラ」で心残りだと感じたのは、リオナというキャラクターだ。

書いていく中でリオナの像が出来上がっていたのは良かったが、より速い段階でリオナを作り上げておければ良かったと二人で反省した。

今後、「星渡りのオペラ」の続編を作ることができるのあれば、リオナをより詳細に書くことができると考えている。

フィードバック

出来上がった初稿を読んで、気づいたことを指摘しあった。

互いに確信をつく、フィードバックが、勉強になった。

これが、もともとリレー小説をする目的でもあったため、なかなかない素晴らしい経験となった。

最速でPDCAすることができ、お互いにブラッシュアップできたことは、作品の質にもつながった。

創作における客観的な視点も普段以上に意識された。執筆する側も、読む側も真剣に原稿に向き合えたと強く思う。

そこから見えてきたことは、お互いの良いところと悪いところ

いいところは、強み。持ち味。

フィードバックで、良い部分を削られてはいけないので、フィードバックの仕方にも注意を払った。良いところは良いと伝えることも意識した。

悪いところは、弱い部分。

表現力だけでなく、プロットから読み取る力や、担当回の中での構成力。そういったところを具体的に、指摘し合えた。

このフィードバックをすることによって、交互の執筆で弱点を補えることもできた。

それが新しいアイデアに繋がったり、手に汗握る展開に持っていくこともできた。

まとめ

今回、リレー小説を作り上げることで、本当に切磋琢磨をすることができた。

創作方法を学びあうことができ、フィードバックをし合うことで、一人では気づけなかったことに、気づくことができた。これは、次の制作に必ず役に立つであろう。

一連の制作を通して、想像以上の作品を作り上げることができたことは、とても嬉しかった。

最後に思うことは、楽しく作るという根底があったからこそ、最後まで仲違いすることなく、良好な関係で作品作りができたと思う。

そんな二人の気持ちが、作品の中に刻まれていると思っている。

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