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劇団亜劇第五回公演「リリーは死なない」を観て、ゾンビが意味するものを考えさせられ、個性や感情を抑圧する殻を破る爽快感もあった!
2019年11月27日から12月8日まで公演している劇団亜劇の舞台「リリーは死なない」を観てきました。
本作と同時上演される「落花する青」のシナリオ制作とともにお手伝いをさせていただいた作品でした。
物語を知っていたとはいえ、ポップな設定と展開であるにもかかわらず、ずっしりとしたテーマを浮かび上がっていました。
そして、役者の魂込もる熱演が、感情の殻を割って爽快感も感じられた作品でした。
あらすじ
事故で鉄パイプが心臓を貫かれた女子高生リリーは、なぜか、死ななかった。
ゾンビとなるも、リリーの日常生活は変わらない。ただ、普通のご飯を食べることができず、空腹に悩まされる。
個性や感情をなくそうとする学校に通うリリーは、ある日、感情を抑制されたクラスメイトたちからあふれるものを感じ、彼らを食べたくなった。
リリーは、空腹を満たすために、抑圧された個性や感情を取り戻すことに目覚めていく。
ゾンビが意味するものは、個性や感情をなくした者!
映画によくあるゾンビものとは少し違います。
意識はあって、自分の意思で行動もできているが、死なない。
空腹に襲われるも食事は受けつけず、しかし、おいしく食べてみたいものは、やはり人だった。
でも、それはただの人ではない。個性を持った内面からあふれる感情。
ファンタジーな世界でありつつ、どこか現実世界を思わせる内容に、ただ観て楽しむということはできなかった。
自分も個性や感情を、自ら押し殺してしまっていないか、考えさせられるものでした。
「リリーは死なない」の舞台では、洗脳や押しつけられる教えが、あたかも常識である世界。
登場人物が、何かにすがりたいというそれぞれの葛藤を持ちながら、生きる様を見せつけられたようでした。
個性や感情を抑圧する殻を破る爽快感もあった!
自らが持つ個性や感情に気づきつつも、表に出せずにいた生徒たち。
物語の中で、それに気づき、自らの意思で自分の道を歩もうとする姿に心を打たれました。
本能で感情を食べたいと暴走するリリーがいて、彼女がいたからこそ、みんなが自分というものに気づく熱い物語でもありました。
単なる友情モノと言うには、重さが違いました。心の奥底から殻を突き破る力強い人の想いを感じました。
最後にリリー自身も向き合うものを見つけ、物語を終えるところは、感情を震わせてくれました。
まとめ
劇団亜劇の重厚なテーマと特徴的な演出が楽しめる作品でした。
役者本人からあふれる感情が、舞台の空気を伝って感じとれる面白い舞台でした。
公演情報・チケットは公式HPへ↓