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北穂高岳で山岳遭難防止対策協会のボランティアをする主人公・島崎三歩が、山岳救助をする物語。
ちょっと頼りなさげな性格ですが、海外の数々の山を渡り歩いてきた男だけあって、常識とは少しズレている。
しかし、それが憎めない。そして、いざという時に頼りになる。
1話から3話程度で完結する話が多く、18巻で完結している「岳」。
山で救助を待つ人に対する三歩に、心をたくさん打たれました。
山に登ってくる人々の多くが、何かしらの悩みや目的をもっていて、山に登れば解決、達成されるのでは、と思っている。
現実は、立ちはだかる山の厳しさに打ちのめされるが、三歩だけは優しく声をかけてくれる。
例え、それが死んでしまった人にでも……。
そんなところに、北穂高を管轄する県警に新人女性が配属される。
三歩を通して、彼女の成長も描かれる。
専門的な道具や用語も出て来るが、物語を通して説明れていくのでわかりやすい。
山の知識がない人でも、山を知ることができると思います。
しかし、山での訓練や、実際の救助、ときには悲惨な現場も描かれています。
その場を逃げ出したり、目を背けたくなる場面でも、数々の山を歩いてきた三歩はしっかりと向き合い、三歩の行動や気持ちには、心を締めつけられました。
最初の数巻は、絵が上手いとは言えませんが、読み進めていくうちにいつの間に、「岳」の世界に入り込んでしまうと思います。
町とは違う世界、少し空に近くなる場所を少し読み歩いてみませんか。
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