一文物語を始めるきっかけは絵本作家の成り立ちを読んで

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一文物語365 One Sentence Story 365

2013年6月28日。

小説が書きたいと思うだけで、まったく書かず、いろいろなことから逃げて、なんとかWebデザインの仕事をして日々を過ごしていた。

一文物語を始めるきっかけは、ヴィレッジヴァンガードに置いてあった本を立ち読みしたのがきっかけ。

その本は、有名な会社の社長や作家、クリエーターがどんなことをきっかけにして、今の仕事をしているのかを書いてある本だった。

その中のひとりに絵本作家のことが書いてあった。

紆余曲折あったその人は、幼稚園で先生をしていた。

その時、園児に絵を描いてくれと頼まれて、毎日一枚絵を描いた。

最初は、下手だった。

でも、毎日一枚描いていた。

見てくれる子がいたからだ。

気づくと絵本のように物語となり、絵本作家になっていた。

最初に、絵を描いてくれと頼み、それ以来絵本作家のファンになった園児は、時がたって、絵本作家の妻となったという逸話もあった。

これを目にした時、

「そうか。 毎日、一文だけの物語を書けばいいんだ。そうすれば、毎日、新作を書くことができる」

単純にそう心から思ってしまった。

ビビッと体中に電気は走ることはなかったが、頭の中にかかっていたモヤがフワーッと晴れた気がした。

店を出るなり、すぐに一文だけの物語を考え始めた。

たぶん、これから自分は、長い旅へ旅立つのだ

と思っていたのかもしれない。

2013年6月28日、最初の一文物語はこれだった。

日の出が昇るとともに彼は、家を出て行った。

物語でも何でもない一文。

しかし、まぁ、この一文を作ってから、一度も途切れることなく書いていると思うと、遠くまで旅をしてきたなと思える。

最初の一文物語は、意味のある一文物語になっているじゃないかと思う。

この時はまだ、飯田茂実さんの一文物語集という本があることも知らなかった。

二日後にはAmazonで一文物語集を注文していたけど。

そして、

そして、

一文物語を始めて6日後、

尿管結石になって救急車で運ばれることになり、ダイエットを決意する。

きっと、一文物語がデトックス効果をもたらしてくれたのだと思う。(※個人の感想)

一文物語が何を導いているかはわからないが、その後は、浮き沈みもあみ、沈みきりそうになった時もあった。

でも、一文物語だけは、細い釣り糸のように自分をどこかで釣ってくれていた。

だから、今がある。

一文物語を始めた自分に感謝する。

さて、明日はどんな一文物語が生まれるだろうか。

想像できる毎日が楽しみだ。

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