一文物語。
そう聞いて、あまりピンと来ないかもしれません。
ショート・ショートよりも短いし、詩や俳句ともまた違います。まだ、ジャンルや形態として成り立っていません。
私も一文物語を毎日書き始めて、参考にといろいろ本を探していますが、一文物語の本をなかなか見つけることができませんでした。
そもそも、数が少ないです。ネットで探しても、これからご紹介する3作品くらいしかないと思います。
ただ、この3作品、どれも趣向が違っていて、とても楽しめる本です!
目次
一文物語集 飯田茂実
私が作っている一文物語の中でも、一番に影響を受けている本です。
中でも好きな物語はこちら。
名高い巫女の住む岩山へ、多くの男たちがはるばる危険を顧みずにやって来ては、消してしまいたい過去の記憶を口移しで吸い取ってもらっている。
一文物語集 27
二十年あまり舞台のうえで老夫婦を演じ続けたふたりの役者が、公演打ち切りの晩、始めて舞台の外で抱き合った。
一文物語集 75
一文であるにもかかわらず、多くのことを想像してしまいます。
この本にあるような一文物語に追いつけ、追い抜けと何度も何度も読んで、読むたびに新しい発見、想像、刺激をいただいています。
古本ではなく、新品を買うと、ちょっとした仕掛けを一度だけ楽しむことができます。それは開いてのお楽しみ!
血液と石鹸 リン・ディン
物語として書かれているが、文学的な心情、光景描写が全面に出ています。
先に上げた一文物語集とは違って、長めな一文物語が多い。
海外作品ということもあって、日本にはない香りを感じとれます。
息を引き取る直前、人々は彼を外へ連れ出し、太陽を最後に一目、生まれて初めて見せてやった。
One-Sentence Stories より
これは、短い一文物語ではですが、書き手が外国人という先入観もあるせいか、異国文化の状況を想像してしまいました。
短編集の中の一編として、一文物語作品が23本収められています。
一行怪談 吉田悠軌
作品ジャンルを怪談に絞った一行作品。
あおむけで昔の人を思い出していると、とんとん、背中を叩かれた。
一行怪談 11ページ
夜、読まないほうがいいかもしれない。
怪談と一文がとても合っていて、ホラー映画のワンシーンを想像してしまうほど。
でも、ふふっと笑えるかわいい作品もあったりします。
2017年に、単行本化されました。
私の一文物語作品
私も一文物語を作っていますので、読んでいただけたら嬉しいです!
手製本作品は、オンラインショップで販売しています。
ポケットに入る宇宙の一文散系:SNS
2018年より「一文物語365」から改題。2018年12月31日をもって毎日、更新を終了しました。
インターネットを一つの宇宙と見立て、一文物語を流れ星のように、小さな本のスマホ(望遠鏡)から、一文物語を覗き読む。
「ポケットに入る宇宙の一文散系」は、2018年12月31日をもって終了しました。
2020年4月から、「一文物語 弐天零[2.0]」をスタートしています。
ポケットに入る宇宙の望遠鏡ノート:note
noteでは、毎日更新している一文物語を、ひと月ごとにまとめて販売しています。
noteでの販売は、終了しました。
一文物語セレクション集 販売中!
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