劇団亜劇第五回公演「リリーは死なない」2回目(千秋楽)を観て、ライブだからこそ、1回1回違う面白さを味わえた!
2019年11月27日から12月8日まで公演している劇団亜劇の舞台「リリーは死なない」の千秋楽を観てきました。
本作と同時上演される「落花する青」のシナリオ制作とともにお手伝いをさせていただいた作品でした。
3日目の公演を見て、最終日である千秋楽で2回目の鑑賞。同じ作品の舞台を2回見る経験は、初めてでした。
シナリオ制作を手伝い、そして1度舞台を見て、内容は知っているとはいえ、1回目に見たものとは違った印象を受け、生の舞台の面白さを知ることができました。
感じた違いや変化、その面白さについてご紹介します。
あらすじ
事故で鉄パイプが心臓を貫かれた女子高生リリーは、なぜか、死ななかった。
ゾンビとなるも、リリーの日常生活は変わらない。ただ、普通のご飯を食べることができず、空腹に悩まされる。
個性や感情をなくそうとする学校に通うリリーは、ある日、感情を抑制されたクラスメイトたちからあふれるものを感じ、彼らを食べたくなった。
リリーは、空腹を満たすために、抑圧された個性や感情を取り戻すことに目覚めていく。
1回目を見た時の感想記事↓
ライブだからこそ、1回1回違う面白さを味わえる
劇団員は、毎回、最高の力を発揮されているはずです。だから、どの回を見ても最高だろうとは思います。
それでも、舞台上に出ているのは人間で、毎回少しずつ変化が出てしまうでしょう。ロボットではないので。
わずかな間の取り方でも、舞台の空気は逐一変わっていくんだと思います。
2回見たことで、差があることがわかり、それぞれの回で違うんだなと感じました。
公演中に、演出が変わったり、セリフが付け足されたり?もしているようで、違いに気づくのも面白かった。
そして、回を重ねるごとに高みを目指しているようにも感じられました。
地に足ついた登場人物に引き込まれた千秋楽!
1回目の「リリーは死なない」を見た日のは、3日目の公演。
上演が始まってから3回目。まだ緊張感が残っているのか、シーンによっては見ていて不安な気持ちになりました。
物語の内容が不安なのではなく、舞台上で行われているやりとりが噛み合ってない部分もあるように感じられました。
登場人物がふわふわして浮いてしまっていて、役者と一体化していないようにも見えました。
最終回は、それがなく、最初から最後まで作品に引き込まれた形で見終えることができました。
110分という長い作品でしたが、その長さを感じることもなく、進んでいく舞台劇を楽しめました。
千秋楽にふさわしい、とても面白い舞台でした。
まとめ
最終回は、1回目に見た緊張感や不安を感じることはなく、すべてが一体化していたように思えました。
物語の中で、一人一人の登場人物が、生きる上で悩み葛藤し、人生を選択する決意は、とても心に響いてきました。
目の前で繰り広げられている世界は、ある種のファンタジーではありますが、人生を生きる上では、自分の身にもある得るものばかり。
単に舞台を楽しむだけでなく、自分自身をも考えさせられる深い作品なのだと思いました。
劇団亜劇 公式Webサイト