教養としての10年代アニメ by 町口哲生 を読んで、単なる意味考察にとどまらずアニメで勉強する本

教養としての10年代アニメ
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こんな視点でアニメなんて見てられない。

いい意味で、目から鱗が落ちる切り口で、読むことができた本でした。

大学の講義の履修にあたり、「深夜枠を中心に週に二〇本以上『アニメ』を視聴しておくこと」という講師の話があり、一時期SNSで話題になっていたのを覚えています。

その講義が一冊の本となったのが、「教養としての10年代アニメ」です。

アニメ好きな私でも流石に週に二〇本は到底見ることができません。しかし、それだけどうアニメをじっくり取り組むかという気持ちが伝わってきました。

他にはないアニメの「教養」の本です。

目次

本の構成

本書の構成は、題材作品の解説をしてから、細かく内容を噛み砕いていくもの。

提示される作品を見て知っておいた方がより理解は深まると思います。私も、見てない作品はありましたが、問題なく理解することができました。

第1部 自己と他者

第1章『魔法少女まどか☆マギカ』他者との自己同一化
第2章『中二病でも恋がしたい!』自意識と他者の存在
第3章『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』スクールカーストとぼっち

第2部 ゲームの世界

第4章『ノーゲーム・ノーライフ』ゲーム理論と社会適応
第5章『ソードアート・オンライン』オンラインゲームと一人称視点

第3部 未来社会の行方

第6章『とある科学の超電磁砲』クローン技術とスマートシティ
第7章『COPPELION』生き残りとリスク社会

インフォテインメントとしてのアニメ

本書では、日本の商業アニメーションを単なる娯楽ではなく、インフォテインメイント=情報娯楽として位置付けていました。

アニメを情報と娯楽に分けて分析できるとしています。

確かに、娯楽だけの側面だけであれば、楽しめてその時々を消費し、わざわざ分析するほどのこともないのでしょう。

しかし、アニメは深い考察がされたりします。無論、私もこれは何を象徴している、展開がなんだと、談義することもあります。

本書は、単なる談義ではなく、「教養」としての分析がこの本のメインなところであり、ネットなどで散見されるような考察や制作サイドへの推測のようなものとはまるで違うものでした。

タイトルに「教養」とあるので、歴史や社会、時代性など多くの面に触れながら、作品が深掘りされていきます。

10年代は圧倒的な力に対する人間の無力感

一〇年代アニメを見回すと、圧倒的な力に対する人間の無力感を表象した作品が散見する。

その例に『進撃の巨人』や『シドニアの騎士』が挙げられている。

この引用の一文は、第7章の『COPPELION』を語る中にある。その『COPPELION』は、遺伝子操作によって生み出された三人の女子高生が、原子力発電所で発生したメルトダウンによって死の街と化した東京へ生存者を救出しにいく物語。

作中では特殊能力を持ったその女子高生たちが、普通の人では立ち入ることのできない場所での葛藤を描いています。

しかし、それを一歩外から見る普通の人間・視聴者への圧倒的な力に対する人間の無力感を描いているようにも思える作品。

圧倒的な力の前で、生き残りをかけるようなメッセージ性も含んでいるようにも思えました。

それは今も変わらずで、社会を見回してみても、圧倒的な力に立ち向かう者、言い換えればやりたいことに挑戦するもいれば、そうでない人もいるでしょう。

何か、そんなことを象徴しているように感じます。

まとめ

私は、特に第7章の「生き残りとリスク社会」というテーマがとても興味深く、前項で紹介させていただきました。

アニメ作品は、消費コンテンツとして、流してしまいがちなものではあります。

たかがアニメ、されどアニメ。「教養」という切り口から見てみると、新しい発見、社会的影響や歴史の勉強、未来の考察にもなるのだなと感じました。

むしろ、そう言った娯楽から何かに興味を持つことも多くあり、単にアニメだからと言って、簡単に切り捨ててしまうのも、惜しいのではないかと思いました。

アニメを全く違った「教養」という観点で見るのも、面白いと思わさせてくれた一冊でした。

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