ほしおさなえさんとlotto140の140字小説。本じゃない本の物語アイテム
2017年5月7日に開催された「文学フリマ東京」。
プロ・アマ問わずの文学作品展示即売会です。文学に関するものであれば、紙1枚でも販売することもできます。
私自身も出店していましたが、好きな作家さんたちのブースをピンポイントでまわって、アイテムを入手してきました!
140字で小説を書かれている方々のアイテムをご紹介。
140字といえば、Twitterの最大入力文字数。
その140字きっかりに文章をあわせた小説を書いていくサークルさんの作品は、昔ながらの印刷方法で印刷されて、少し変わった形をした本やカードになっています!
ほしおさなえさんの140字小説活版カード
「猫と月と僕」一四〇字小説活版カード第十期特装版
小説家ほしおさなえさんの140字作品集。
少し厚みのある紙に活版印刷された小説集。
猫をテーマにした小説5作品がカードに印刷されていました。
ふんわりとして印象の紙に、キリッとした文字が印字されています。
猫の視点、僕の視点、はたまたどちらの視点にも捉えられる少し不思議なお話でした。
猫が印刷された厚みのあるトレーシングペーパーが挟まれていました。
すこしボヤケて見える140字小説。猫の気まぐれな気持ちを表現しているのかと思ったりも。
持ってみると、紙の温かさが伝わってくるような感じがします。
インクの重さすらもわかるような、しっかりインクが紙に乗っていて、文字一つ一つに重さがあるのかと思わせてくれる活版カードです!
ほしおさなえさんは、小説「活版印刷三日月堂」シリーズの作者でもあります。
小説は、活版印刷の魅力と活版印刷によって紙に印字された言葉によって、人々の心を動かされていくお話です。涙がこぼれるほど素敵なお話です!
lotto140サークルのアイテム
「lotto140」は、小説家ほしおさなえ先生の「140字小説講座(よみうりカルチャー大森)」受講生によるサークルです。
受講生の作品も、それぞれ表現方法が違っていて、それぞれに独特の世界観があって毎回楽しみにしています!
フリーペーパー
わら半紙のような紙に、二色ですられたフリーペーパー。
小さな包み紙
使用済みの切手と折りたたまれた紙が入っていました。その紙には、中華街と題された140字小説。
いっそ爆発してくれないか紹興酒
笑ってしまった!
異類草子
ゆきさんの「えどつこ」の最後のセリフの表現が、ふっと心を暖かくしてくれました。
たれごじらんさんの「じゃっ、」は、ホラーかと思ったり、いろんな気持ちを想像させてくれました。
ねこモノがたり
紙とインクの色合いがとてもいいです!!
イラストもスタンプチックでかわいい!!
どの作品も猫の表現が、違っていて面白かった。
中でも、月永佳世さんの料理と猫をかけ合わせた140字小説は、独特な表現だった。でも、ありそうだなと想像してしまった!
猫といえば、やはりSFか。瀧川道さんのSFめいたお話も好きです!
手紙 Yellow Tail
瀧川道さんの作品。
封を空けると、時代を越えて届いたと思わせるデザインの手紙。
古代地図に書かれた140字小説と、一枚の手紙全体から世界観が伝わってきた。
まとめ
一般的な小説に比べると短い140字の小説。その短さなの中に、文字数以上に広がる物語と世界が楽しめる。
ちょっとした時間が読めてしまうのも、またいい。心が朗らかになる作品が多く、楽しめました。