作品– category –
-
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年8月集
一文物語 1 人が首吊りしている展示物の周囲には、多くのギャラリーができて人気を博しているが、作家はそれを飾った覚えがないと首をかしげている。 2 月まであまり費... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年7月集
一文物語 1 どしゃぶりの雨のせいで、魔の海となってしまった長靴を履いている少女が泣いている。 2 魂を込めて書くことで字は生きだし、彼は死んだ恋人の名前を書き連... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年6月集
一文物語 1 深海で遭難して何モノかに助けられた潜水士は、その礼として真っ暗な世界に新たな時代の幕開けを願い、火を届けに行ったら、海底火山の噴火で華やかに迎え入... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年5月集
一文物語 1 ポケットの中に、魔物と化した糸くずが生息していた。 2 捕まった似顔絵師は、幾千も自分の顔を塗り替えてきて、どれが自分の顔なのかわからなくなってしま... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年4月集
一文物語 1 つたが壁をはって、とうとう塔に監禁されている姫の窓を突き破った。 2 夢凧を人生糸で飛ばしたまま、引き寄せることなく、ただ背を向けて人々は歩いている... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年3月集
一文物語 1 急がないと、と彼女はまっすぐ壁を突き破っていった。 2 深深と降る雪の音を聞いた少女は、誰に見られることもなく、その小さな重なりに愛おしさを覚え、涙... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年2月集
一文物語 1 プラネタリウムで星々を見ていたら、突然轟音とともに宇宙が落ちてきた。 2 難破した老人はクジラに飲み込まれて腹の中で生活し、時折数十匹の魚が飲み込ま... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年1月集
一文物語 1 誰かそちら側から年をあけていただけませんか。 2 早朝、一年の思いを固めるため、滝行を行っていると、意思を固めた誰かが落ちてきた。 3 家出した妻を追い... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年12月集
一文物語 1 流れてきた死体の上で、カエルがゲロゲロと死者に代わって人生の極みを吐露している。 2 一国一城の主となった老人は、急階段で、忠誠を示す者らに持たせた... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年11月集
一文物語 1 夜、家に帰ると、部屋の鉢植えが倒れて土が散乱していて、植物たちが脱走を企てたようだか、一メートルも進まず失敗していた。 2 たとえ話しかしなかった彼... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年10月集
一文物語 1 上に進むしかないハシゴを行列になって進んでいると、急病の女性を抱えて降りてくる男性たちとどかない人たちの間に交渉の余地はなく、時間に迫られ段を登ら... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年9月集
一文物語 1 変色して心の奥底にこびりついて色あせたゴミを取り除くことも忘れることもできなかった彼女は、自らゴミ箱に飛び込んだ。 2 笛が鳴り、先生の全員集合の声...