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私は、こういう文章作法が好きだった。
この本は、「これを読めば、文章が書ける」という本ではありません。
こう書けば、こう伝わる、という内容ではありません。
本のタイトルにあるように、作法・自己表現レッスンを学ぶ本です。
日々の鍛錬の結果に、短文、ひいてはあらゆる文章表現へとつながっていくことを教えてくれる本でした。
中でも、文章の自己表現していく中で印象的だったことをご紹介します。
Twitterを始め、SNSでは、短文が多く用いられています。
短文を使ったテキストコミュニケーションでも、音読されることを意識が必要と言います。
短い文章の中でも、アクセント、抑揚があります。それがリズムを生み、印象づけます。
決まり文句やキャチコピーなどは、典型的な例です。
読みやすさはさることながら、言いやすさ、耳に残る、印象深いものばかりです。
それは、リズムがあるからです。決して、短くても、です。
では、どうしたら、印象に残る文章表現ができるのでしょうか。
「相手にいかに伝えるか」に行きつくまでには「いかに自己を語るか」の鍛錬が必要
自己を語るには、自己を知る必要があります。
自己を知る一つのアイデアとして、本書では自己フレーミングが紹介されていました。
自己フレーミングは、自分という固定化された存在を、様々な角度から別の「見せ方」をするもの。
犬を飼っている私。
私が野菜だったら、人参。
私が場所だったら、どんな場所か。
自分に問いかけて、どう自分が答えていくのか。そこで新しい発見、答え方やその表現方法を鍛えることもできるというのです。
これは、なかなか面白い方法です。
もちろん自分を理解するだけでなく、他者が自分をどう見ているのか、という視点も獲得できます。
自分が思っているイメージと、他者が考えている自分へのイメージのズレも、発見できるというもの。
そして、そのズレが自己表現をする中で、利用価値になります。
ズレを使ってギャップを表現するのか、そのズレを埋める表現をするのか。
場面場面で使い分け、時には強い印象を残せるのだと思いました。
自己フレーミングで、自己を知り、自分の表現の幅や使い所を増やしていきたいと思えました。
文章を書くこということは、自動的に他者を慮 る機能を備えている
と、筆者は言います。
だから、わざわざ人の顔色を伺いながら、自己表現する必要はありません。それで、自分を狭めてしまっては本末転倒です。
しかし、これは自由に、大口を叩いて良いということではありません。
最終的には、他者に読んでもらう、伝える意識は必要です。
それは、文章を書き終えたあと、推敲することが大事です。
推敲はダメ出しというより、文章を洗練させることです。
文章における描写の表現や、情報の取捨選択であり、さらに重要なことは、繰り返しを省くことです。
同じ内容を別の表現、起承転結でまとめ直すことで、結論まで距離が縮まります。
結果、短い文章で、言いたい内容をしっかり伝えることができるようになります。
文章での自己表現は、いかに自分を知り、自分の中から出てくる言葉で印象を残せるかが大事です。
それには、日々、その表現を磨いていく必要性があると学びました。
日々、文章の鍛錬をしていくことで、自己表現できていくのだなと思いました。
これを読めば文章が書ける、といった本よりは、文章の真髄に近いことを多く知ることができた本書でした。
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