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直感は、わりと働く方です。
ただ、それは自分が簡単に動ける物事においてです。
これは、という直感があったとしても、長期的に実現させていかなければならないものの場合、それをどう現実的に落とし込んだらいいのかわかりません。
本書「直感と論理をつなぐ思考術」は、まさに直感と論理をつなぐプロセスをわかりやすく段階を追って説明しています。
段階ごとに、プロセスで必要となる思考術を鍛えるワークの方法も紹介されて、実践していける本となっていました。
ただし、妄想をし、自分の妄想を信じることができるかが、鍵となります。
著者佐宗さんは、左脳派で、過去のデータから戦略的に企画を進めていく人と、自分を紹介していました。
妄想を駆動力にできる人・組織は強いと言います。
著者自身の経験を踏まえながら、直感や妄想を論理的に思考させるプロセスが、包み隠さず載っています。
発想がいい、アイデアが良く思いつく人を羨ましいと思ったことがある人にはうってつけです。
また、妄想や直感が働いたとしても、どう実行していいのかわからない私にも、とても学びある項目ばかりでした。
直感と論理をつなぐには、ビジョン思考が掲げられています。
今の日本では、「妄想」というと、独りよがりで、裏打ちされた戦略や過去のデータもなく、論理的ではないと、一蹴されてしまいます。
「10年後に月に行く」と言ってしまったアメリカは、それを成し遂げました。当時、誰も行けるとは思っていなかったのではないでしょうか。
きっと、馬鹿げている、と。しかし、その妄想が、現実になったのです。
「直感から思考をはじめる」とは、「ただの妄想で終わる」ということではない。
ビジョナリーな人たちは、途方もないビジョンを駆動力にしながらも、同時に「直感」を「論理」につなぎ、「妄想」を「戦略」に落とし込むことを忘れていないのである。
PDCAに基づく学習が有効な領域は、いずれロボットや人工知能による代替が進んでいくようです。
不透明な時代にはありのままに感じ、直感や妄想を出発点にし、ビジョン思考で進めていくことで、直感や妄想が現実に体現させることができるのです。
情報が溢れかえる昨今、テクノロジーが与えてくるシンプルでわかりやすい世界は、私にとって、とても快適です。
新聞よりSNSを見ている時間が長いでしょうし、商品レビューで購入するかを決めたりもします。
すんなり頭に入ってきているようで、しかし、それは個人に最適かされた「断片」でしかないという。
シンプルさやわかりやすさを突き詰めていくと、視野は狭まり、他の個人と同一化しやすく、無個性化していきます。
情報のレイヤー化、タコツボ化が招くより大きな問題は、思考や発想の無個性化だ。逆説的なことに、「個人向けにカスタマイズされた情報」に触れれば触れるほど、個人の頭のなかは「ほかの個人」と同一化していき、人と同じようなことしか考えられなくなる。 これがビジネスの文脈であれば、レッド・オーシャンでの血みどろの競争に、個人レベルでは、言い知れぬ停滞感に行き着くことはすでに見たとおりだ。
シンプルでわかりやすい世界を避け、自分視点で考えることが必要不可欠です。
内に湧いた「妄想」を単純な「妄想」で終わらせず、自分視点で考え、現実を動かすアイデアへと洗練させなければなりません。
ビジョン思考の中の「組替」で、分解のステップがあります。
分解とは、
思いついた妄想を掘り下げ、洗練させて現実的なアイデアにする工程です。
ここで私は、違和感を探る部分について、引っかかりました。私は、常識と思うものになかなか違和感を感じられません。
今まで、常識に対して疑いを持つことがなかったからだと思います。
本書は、ステップごとに思考を鍛えるワークがそれぞれ用意されています。
違和感のアンテナ感度を高めるための違和感ジャーナルというものが紹介されていました。
違和感というのは、その場限りのものであり、時間が経つとすぐに忘れてしまうことが多い。「これって変だな?」と感じるたびに、ジャーナリング・ノートを取り出すのも大変なので、「違和感のタネ」を見つけたら、すぐにスマホで写真に収めることを習慣化しよう。
題材はなんでもよく、気になったものを撮影しておき、写真を見返して気づきを得るワーク。
違和感は身体からくるので、体感覚を鍛えるエクササイズにもなります。
周りが同じようだと、ついついそっちに流されがちなので、やはり自分の視点、感覚を持っていけるようにしておきたいです。
直感と論理をつなぐ思考は、今までの思考術とは全く違いました。
このサイクルを繰り返しおこなっていきます。根拠のない「直感」「妄想」は、まだ現実化してない未来。
たかが妄想が、世界を変えてしまうかもしれないアイデアとなると、本書を読んで思いました。
ビジョン思考を鍛える実践的ワークを取り入れつつ、内に秘める妄想を実現していきます。
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