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村上春樹さんの小説「風の歌を聴け」を読みました。
「風の歌を聴け」は、村上春樹さんのデビュー作品。
ひと夏に間の青年の物語。
小説自体は、他の村上春樹作品に比べると短い。軽快な文章でも、描写の濃さを感じさせない表現で作中へと引きこまれました。
デビュー作から村上春樹ワールド全開だった「風の歌を聴け」をご紹介します。
冒頭から目が点になった。
「文章を書くこと」について、主人公の思うことが書かれている。
きっと「文章に関わる物語」なのかと、思っていると、それ以降、文章に関わる話は出てこない。
出てこないわけではないが、「鼠」と呼ばれる友人が考える小説に触れている場面はあった。
それも、文章の切り口で話されたものではない。
唯一、あとがきに本文に出てきた作家について述べられている。
なおさら、物語とどう関係あったのか、謎が謎を呼ぶ。
私は気になって、答えのない答えばかりを本文から探そうとした。
結局、結論は出ないままだ。
冒頭にある作家が出てくる。そして、あとがきにもその作家について言及されている。
噂によれば、その作家は、実は実在しない人物なんだとか。
なおさら、冒頭の文章について語られた意味はなんだったのか、気になってしょうがない。
あるとき、よく行くバーで「鼠」が考える小説について聞く場面があった。
主人公は大人しく聞いていた。
深い感想はなく、「文章について」も語り合うこともない。
この場面の後すぐ主人公は、見知らぬ酔いつぶれた女性を介抱することになる。
ただ、その女性と主人公はどこで出会ったのかよくわからない。
たぶん酔っている話からすると、バーなのだとは思える。
「鼠」が語る小説に出てきた女性が、介抱することになった女性なのではないかと、私は思ってしまっている。
たぶん、自分の読みこみが甘いのか、でもなんど読んでもそう感じられてしかたない。
「鼠」が小説について語りだしてから、それ以降はずっと「鼠」が語る小説の中なのではないかと思ってしまってもいる。
ちょっとしたボタンのかけ違いから、別の次元に迷いこんでしまったように。
かといって、最後にそこから抜け出せるわけでもない。
結局は、村上春樹ワールドに引きこまれたと自覚する。
大人になるのがイヤで、少しでも遅らせようとする青年の話だと思えた。
人生に反抗しているとも感じられた。
そして、小説を読み終えて少し時間がたって、小説タイトル「風の歌を聴け」に込められたメッセージ性があるように思う。
作中に「風」に言及するところはない。
作中、主人公を通して、なんでもないような日常をしっかり見ろと言っているように思えました。
風はいつも吹いているようで、いつ吹くかもわからない。
意識することで気づけるなにかが、日常にはある。風に耳を傾ければ、もしかすると歌が聞こえるかもしれない。
ただ流れ過ぎ行く自分の人生でも、身の回りに目を向ければ、面白いことがあるよ。
それを「風の歌」に例えていると、私には感じられた。
本作で村上春樹作品は、2作目。村上作品は、解釈や見解について、いろいろと語られる作品、ワールドが広がって面白い。
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