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今までに読んだことのない面白い小説でした。
読んだきっかけは、友人との課題読書企画。
いつか読むだろうけど、結局、読まずにいた本を読もうというもの。
この企画をやっていなかったら、出会うことなかったし、ここで出会えたことに感謝。
色とりどりの言葉が、闇をも照らして、想像をどこまで広げてくれる小説。
1970年代に書かれて、日本では1982年に翻訳発売された古い小説でした。
しかし、今まで読んだことのない物語、文章がとても面白かった。
単に言葉数が多いわけではなく、そこにピッタリと組み合わせられてハマっていて、一つ一つの言葉が輝いている文章です。
読み始めてすぐに、その作品の世界観、それ以上に文章の世界観に引き込まれました。
使われている単語は、もちろん日本語。同じ日本語を読んでいるのかと思えるほど。
しかし、この作品に埋め込まれた単語たちは、想像を広げるベクトル・力を持っていて、読むと小説の空間を広げてくれました。
こんな小説に出会ったのは初めてでした。
「闇の公子」と言われる地底に住む王が、主人公。
物語は、さまざまな登場人物の視点で描かれ、章のほとんどは「闇の公子」以外の登場人物にスポットが当てられています。
それぞれの人生の中で、「闇の公子」が願いを叶えたり、時に悪さをし、人の人生を翻弄する物語もありました。
一本調子の物語ではなく、世界を広く描いた物語で、章によっては場所が変わったり、時間も数百年進んでいることもあります。
それがわかりにくいことはなく、うまく組み合わされた宝石の言葉によって、瞬時のその場の情景に読者を立たせてくれます。
びっしりと文字が300ページ書かれた小説ではありましたが、1行1行味わうように読むことができました。
ダークファンタジーのテイストとはいえ、たくさんの言葉や文章で、闇から光まで色とりどりの景色を描いてくれました。
自分の想像を、これでもかと広げてくれた面白い小説でした。
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