前々から気になっていた「最高の体調」という本を読みました。
できるだけ体調は良い状態を保っておきたいから。
メンタリストDaiGoさんもオススメしている本で、科学的な実験や研究結果の説明もあって、とても説得力がありました。
文明病、炎症、不安といった切り口で、良い体調に改善、保つ方法や意識を学ことができました。
中でも、私がとても興味持ったところをご紹介します。
目次
文明病
文明という観点から病に焦点を当てる切り口が、とても新鮮でした。
これだけ文明が発達して、とても快適に過ごせているように感じられる現代の日本。
でも、どれだけ自分が幸せだと感じている人がいるのでしょうか。
私も幸せだと思える部分、不安を抱える部分もあったりします。
それ血、基本的には食事に困るわけではなく、ネットも発達して、生活できる物や場があり、どんどん豊かになっているはずなのに、です。。
特に食事に関しては、いろんなものが食べられるようになったがゆえに、肥満という現象が出てきました。
人類は、約600万年に渡って、狩猟採集生活を続けてきました。
食べるものを得るのに必死な時期が続いてきたことで、食べたものをいかに体内に蓄えておけるか、という体の仕組みになっているそうです。
現代は、食べるものも多く、たくさん食べることによって、必然的に太ってしまう。
たくさん食べても太らない体になるには、相当の年月が必要なのでしょう。
人間が今まで生きてきた狩猟採集生活を基準に、現代の生活と合う合わない比較をして書かれています。
炎症と不安
文明病を引き起こす原因として、大きく炎症と不安に分けて解説されていました。
炎症と不安が続くことで、体調に影響を与えます。
ここまで読んでいると、そんなことわかってるよ、と思っていましたが、読み進めていくと、なかなか根深いものを感じました。
炎症
炎症は、怪我をして皮膚をすりむき血が出たり、関節炎、アレルギー反応、風邪などは、体の表に出てきてわかりやすい。
しかし、体内で痛みをともなわず、じわじわと炎症が起きているというのです。
驚いたのが、内臓脂肪。内臓脂肪は、人体にとって異物でしかなかった。
脂肪細胞が分泌する炎症性物質が臓器の炎症を引き起しているという。
内臓脂肪が減らない限り、体はじわじわと燃え続け、炎症性物質で傷ついた血管や細胞が動脈硬化や脳梗塞の引き金になります。これが、「メタボリックシンドローム」の発症プロセスです。
多少体型に変化を見せるものの、痛みが出るわけでもありません。
謎の体調不良や、ちょっと調子が上がらない、というのが続いた結果、大きな病につながっていきます。
体内で、知らず知らずの炎症状態が続いていくことで、体の内側から傷つけているということを知りました。
その点、狩猟採集民は、短中期的な炎症がメイン。目に見えて傷を負ったり、風邪を引くといった表に出る症状です。
現代の日本人は、長期的な炎症が続き、ほとんど目には見えなかったり、体内で炎症が進み、少しずつ体調が悪くなっていくようです。
現代の不安は、ぼんやりとした不安
不安だ、不安だ、といっても、実際何が不安なのだろうか。
はっきり答えてみようと考えても、ぼんやりとした不安しか思い浮かびません。
今というより、どんな風になっているかわからない未来への不安がある、ということでしょうか。
今日明日より、もっと先、1年後、5年後、10年後に対して考えれば考えるほど、不安は大きいような気がします。
農耕が始まってから、未来に対する不安が大きくなったと本書では解説されていました。
作物を育てる。その出来上がりは、今ではなく、数ヶ月後の未来。
それまでの期間、ちゃんと育つのか、ちゃんと収穫できるのか、農耕が始まって未来を考えるようになったというのです。
農耕が盛んになったから今、十分な食べ物を得ることができるようにもなりました。その反面、不安になる時間も長くなりました。
ましてや、現代は変化の速度も早く、SNSなどで多くの情報が飛び交い、不安は大きくなる一方です。
ぼんやりとした不安を減らす方法
未来を今に近づける
時間の流れを近づけるという意味ではなく、未来に自分の存在感があれば心理的に未来との距離が近くなります。
5年後の自分を具体的に想像できるかどうかより、未来の自分の身になって考えられるかどうか。
本書の例では、ダイエットがあげられていました。
ダイエットをしていて、目の前にケーキが出され、食べたいと思うことがあります。
ここでダイエットに成功した自分の姿に現実感を持っていると、目の前のケーキを食べない選択をします。
つまり、未来と心理的距離が近いと、ダイエットに成功するメンタルが強くなるというのです。
未来を今に近づけることで、ぼんやりとした不安は生まれない。
とはいえ、価値観が多様化している現代は、その未来像をぼんやりしたものに変えてしまっています。
様々な価値観がある中、自分自身が自分のコアとなる価値観を絞り込み、未来を近づけて行くしかありません。
ただただ、不安と叫ぶのではなく、自己認知をして、不安がどう不安なのか、自分がどう生きていくのか、見直す良い機会だなと思いました。
新しすぎるストレス・デジタル環境のコミュニケーション
インターネットやスマホが生産性を高めた一方、ネットのサイトやSNSが生産性を下げてもいます。
特に、SNSのコミュニケーションは、使い方次第でどちらにも大きく転びます。
狩猟採集民時代が長く続いてきたことで、コミュニケーションにおいては小さなコミュニティの数十人でやり取りできる能力しか持ち合わせていないと言います。
ここ5年10年で、新しく出てきたSNSを介したコミュニケーションは、見えない人とのコミニケーション。
それにはまだ慣れはおらず、新しいストレスを受けている状態なのです。
すでに生活の一部となってしまっているとはいえ、無理に使い続ける必要もないのかと思いました。
SNSは、1日中使わず、時間を決めて、必要な時に必要なだけやることで、中毒性やストレスを軽減できます。
体内の炎症や心理的な不安を抑える方法
それは、畏敬の念に触れることです。
心理学で言う畏敬とは、自分の理解をこえるような対象に触れた際にわきあがるような感情を指します。
特に、自然が人類にとって最強の炎症対策だといいます。
森の中を歩いたり、自然の中でキャンプをしたり、自然の近くをウォーキングするだけでも炎症レベルは抑えられます。
1〜2週間キャンプをすることで、炎症レベルが下がった研究結果もあります。
なかなか長期間キャンプはできないので、日々ウォーキングをしたり、森林や海などの動画を定期的に見るだけでも炎症を抑えてくれるといいます。
狩猟採集民を長く続けてきた人類、自然に触れることが一番自然なのだなと改め思いました。
まとめ
鈴木祐 クロスメディア・パブリッシング 2018年07月
炎症や不安を抑える方法に、瞑想もとりあげられていました。
これもただ瞑想すればいいのではなく、自己観察し、自己認知していくことが大事で、漠然ととらえるだけでは意味がないようです。
この本を読んだことで、自分がどう言う状況、環境にいるのか、その視野が広がりました。
過去の歴史や今との比較で、文明病という切り口がとてもわかりやすく、今までにない観点を学ぶことができました。
自分を振り返り、向き合っていくことで、炎症や不安を抑えていくことを知りました。
特に、内臓脂肪があることで常に炎症が起きていることを知って、私も減らしていきたいと強く思いました。
本書には色々なワークがあるので、未来との心理的距離を縮めたり、自己認知力を高めたりもできるいい本です。
2020年7月現在、本書は、Prime Readingで無料で読むことができます。
Prime Readingは、Amazonプライム会員の特典として利用できます。
Prime Readingは、本書だけでなく漫画や雑誌もあるので、とてもお得です。