どうぶつ集成 by 宵待ブックス を読んで、短編集なのに長い時間、距離を旅したように感じられた面白い作品でした!

宵待ブックスのどうぶつ集成とフリーペーパー

2018年11月25日に開催された文学フリマ東京で、購入した作品。

作者の視点と文体が好きな作家さんの新作短編集。

月を詠んだ一句の栞ツキでした。

9編の短編がおさめられ、いっきに読み終えられました。

しかし、一つ一つのお話は世界のほんの一端を切り取っていますが、読み終えると、長い時間が経過し、長い距離を旅したように感じられた面白い本でした。

きのこのお話が面白い

どうぶつ集成 by 宵待ブックス
  • きのこ花店
  • II fungo mafioso もしくは転がるトリュフ茸

中でも、この2本が面白かった。

ふたごの白いきのこが主人公。

冒頭から、きのこの背丈までに視点が引き込まれました。

そこからは、人形劇のような舞台をイメージして、勝手に読んでいました。

全体的にコミカルで、会話がとてもきのこらしく、違和感がありません。

愉快な世界も終わりには、背景に隠れている怖さが出てきたりして、ハッとさせられました。

きのこの世界、動物、自然界の厳しさも感じられたお話でした。

短編の動物モチーフ以外にもつながりを見て読んだ

どうぶつ集成の正しい夜の過ごし方

これは、単に私の深読みです。

本作は、秋から夏の流れで、動物をモチーフに、一つ一つ書かれた短編小説です。

それ以外には、1作目の中で、使われている言葉、もしくはアイテムが、次の作品にも使用されているなと思いました。

例えば、最初の「正しい夜の過ごし方」では、赤のイメージが出てきます。

2作目の「キノコ花店」に、その赤が作中に出てきていたりします。

2作目の中で使用されたものが、3作目に、といった流れで、最後までモチーフ以外にもつながりを勝手に持って読んでいました。

そんなところを探しながら、読んでいたわけではありません。

しかし、印字された文字、そして文章、そこから描写される作品世界が、なんとなく繋がって見えたのです。

ふと、短編なら、こういう遊び心があっても面白いな、と思いました。

あくまで、勝手な想像です。

まとめ

独特な視点と柔らかな文体が好きな作家さんです。

また、文学フリマ当日に配布されたフリーペーパーの「古書ときどきくらげ」というお話も素敵でした。

雨の降る日、古本屋での何気ない一幕が描かれています。作者の本好きならではの視点だからこそ、書ける一編だと感じました。

宵待ブックスは、オンライン小説投稿サイト・エブリスタにも作品をアップされています。

フリーペーパーの「古書ときどきくらげ」のオリジナル版を読むことができます。

ぜひ、読んでみてください。

宵待ブックス
Twitter:@tn_kayo
note:@kayokofftsky
エブリスタ

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この記事を書いた人

水島 一輝

水島 一輝

一文だけの小説も書く小説家。毎日1つ一文で完結する物語を書き、5年目1700作を超え、今も続く。Webデザイン業を経て、中学生時代から物語を書いて暮らしたいという思いが忘れられず、実現すべく作家活動を行っている。ファンタジー小説をオンラインで更新し、手製本を手がけて作品販売も行っている。

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