2018年9月29日の創作日誌。
新作の一文物語手製本中巻の表紙と本文用紙の準備が整い、最終工程の糸かがり作業に入りました。
表紙と本文用紙を糸だけでつなげて、本にしていきます。
その糸かがりの流れをご紹介します。
道具一覧

基本的には、針と糸。針は、先の尖っていない針を使用しています。
製本針だと少し太くて、穴が大きくなってしまうので、クロスステッチ用の針を使用しています。
糸の毛羽立ちや絡まりを抑える糸用のワックスやクリップ、糸切り鋏。
あと、糸通しがあると、ストレスなく作業が進みます。
糸かがり

クリップで、表紙と本文一折り目を押さえて、糸を通していきます。

表紙と一折り目をかがり終えました。

本文二折り目を重ねて、背にあけた穴に糸を通していきます。

内側を通って、また外に出ます。

外にで、別の糸をまたいで、また内側へ入り、次の穴へ。

本文三折り目も同様。このまま糸の出し入れを繰り返していきます。

本文四折り目を重ねたところです。
厚みも出てきて、本らしくなってきました。

本文は八折りあり、裏表紙まで糸かがりを進めてきました。

裏表紙の糸かがりを終えたところです。
最後に、外に出ている糸を表紙の内側へ結びます。

裏表紙の内側。外にあまっていた糸を中心の糸にしっかりと結びつけて、余分な糸を切りました。

表紙の内側も同様に、軸となっている糸に結びつけて、余分な糸を切りました。
完成


背表紙をつけないスタイルの本です。

背表紙がないので、どのページでも平らに開くことができます。
1ページ1ページ読みやすいのです。

背表紙がないので、開ききることができます。

A7サイズで、文庫本の半分の大きさ。
手のひらにおさまる小さな本の出来上がり。
サンプル2冊完成

仕上がりにも問題がないので、量産していきます。
量産とはいっても、1冊1冊、糸かがりしていきます。次の工程の記事はこちら↓

本作の手製本は、2018年11月25(日)に開催される文学フリマで、販売する予定です。
手で実際に持って見ることのできる機会となります。
こちらもお楽しみに!