小説「きみはポラリス」著:三浦しをん

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三浦しおんさんの小説「きみはポラリス」を読みました。

さまざま男と女が織りなす恋や愛の短編集です。

ストレートな恋愛模様から、隠し通す者の表と裏、秘密を抱えたままのもの、いろんな人たちの恋愛模様が見れておもしろかった。

小説「きみはポラリス」の感想です。

目次

全体の感想

現実に近い恋愛小説を読んだのは、ほぼ初めて。

なかなか重い話もあり、人は見かけによらないことを学んだ。

ある意味、人生の勉強ともいえる。

もちろん、小説はフィクションではあると思うけど、世の中、こういうこともありそうだと思える人間関係を知れた。

気になる作品タイトル「きみはポラリス」

短編のいちタイトルかと思っていたが、そのタイトルの短編作品はない。

改めて主タイトルとしてつけられている。

「ポラリス」は「北極星」という意味。

私は、恋愛というものを星に例えたのではないかと思う。

北極星に近づいても真の形は見ることはできない。

遠くから見てただ見つめることしかできない行為かのように、恋愛小説のタイトルにしたのかもしれないと、読み終えて感じられた。

著:三浦しをん
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各篇の感想

1. 永遠完成しない二通の手紙

男が合コンで会った女性に、ラブレターを友人宅で書く話。

面白い!

友人宅でラブレターを書くだけの一幕なのに、本人と友人それぞれの恋に対する距離感が読みとれた。

ラブレターの文章がまるで子供っぽいところがウケた。

2. 裏切らないこと

妻が赤ちゃんにした行動。それは、夫目線ではあり得ないことだった。

夫が妻の気持ちが信じられない。

所詮、他人の妻との関係に悩み、妻の母と話した過去の経験から裏切らないことを語る。

舐めることと鍵穴に鍵を挿す行為の比較の例えがうまい。

偶然合う鍵、老夫婦?兄妹?の運命とも上手く合わさっている。

3. 私たちがしたこと

過去に人を殺した高校生カップル。

以後、女の方が恋をしないことの解明を進める友人。

ちょっとなかなか有り得ない物語に、平然と生きる高校生カップル。

人を殺したことに苛まれているが、そのまま生きれるものなのか。

4. 夜にあふれるもの

ちょっとよくわからなかった話。

変わり者の真理子が旦那と、キリストのお墓があるという青森まで車で行く話。

真理子が昔から、感じられる回路を持っている。旦那はそれが変だという。

しかし、最後、森の中に行ってしまった真理子を追いかけと行ったのは旦那。

エルザも行きたかったが行けなかった。ここで真理子に恋していることに気づくエルザだった。

5. 骨片

昭和あたりの女性が大学を出たという珍しい。

彼女は、文学を学んでいて、ひそかに先生に恋をしていた。

先生はまだ若く40そこそこだが、突然亡くなってしまう。

お葬式に出て、火葬にも立ち会った。その時、先生の遺骨の骨片をこっそりいただく。

実家は餡子屋で、彼女は大学を出たのに家業を継いだ。

よくわからない理由で寝たきりの祖母。その祖母が亡くなり、骨壺になぜが先生の骨片を入れる。

その後、縁談の話が来るも、先生のことが忘れられず、断った。

不思議な話だった。

6. ペーパークラフト

水族館のカフェで出会った夫の後輩は、ペーパークラフト作家だった。その日から家にちょこちょこ家に遊びに来た。

変な意識を感じるも、気のせいだと思う。

しかし、時には、子供にペーパークラフト作品を渡すためにやってくる夫の後輩。

そこで、頻繁に広島に出張に行く夫が、女と遊んでいることを聞かされる。

子供がいるにもかかわらず、寝室でその夫の後輩と寝てしまう。

しかし、夫と別れることはなかった。

夫を愛すというよりは、今の流れのまま夫婦だからという関係を続ける浅い関係を描いているように思えた。

こんなこと、ありそうだと思えた。

7. 森を歩く

突然いなくなっては、突然帰って来る彼と住んでいる女性のお話。

また突然仕事だと言って出て行く彼が気になって、あとをつけていく。

田舎の駅で下りると、山へと入っていく。尾根に出て、崖の途中に生えている松を得る。

そこで、彼がプラントハンターだということを初めて知る。

初めて彼と会ったとき「森を歩きたい」と言われていた。

その意味は、アマゾンのインディオの言葉で「あんたとセックスしたい」という意味だった。

とても軽やかな物語で好きな話だった。

これを読んだ瞬間に漫画「ハチミツとクローバー」が出てきた。

8. 優雅な生活

都内で働くOLが主人公。彼氏と住んでいる。

会社の女性たちとのロハスなお弁当を見て、自分もやって見たくなり、始めた。そしたら、彼氏のほうがはまってしまい積極的になる。

ただ、セックスのとき、ゴムをつけるのはロハスじゃないと拒む。

だが、だんだんとその生活もつらくなって、どちらもやめたいと言い出せずにいた。

年越し、高尾山へご来光を見に行く。そこでこの地球で一生懸命生活していることに気づく。

互いにロハスな生活がつらいことを告白し、それでもこれから一緒に生きていきたいことを確認し合う。

とても素敵な二人のお話だった。

9. 春太の毎日

春田目線で、独り身の麻子と米倉の関係性を描く。

春田があたかも人のように語り手として描かれているが、実は犬である。おもしろい発想だなと思えた。

まるで人のように、麻子を独り占めしたいのだが、ちょこちょこ姿を現す米倉に悪態をつく。ガムのおやつをもらって、すぐに許してしまうお茶目なキャラがいい。

麻子と米倉は、恋仲のようだけど進展は見られない。

麻子が米倉とどうなりたいのかは、はっきりとは描かれてはいない。

ちょっとほっこりするお話だった。

10. 冬の1等星

車の後部座席で寝るのが好きな女性の話。

8歳のころ、自宅の車に黙って乗っていて、母親がそのまま買い物へ出る。

田舎で、駐車場に車を止めるときもロックをしない。

ある日、文蔵という男が少女が寝ているままの車を奪ってしまう。少女はそのまま連れ去られてしまう。

文蔵はただ大阪へ行き、少女には手を出すことはなかった。

ただ少女は、その文蔵に不思議な気持ちを抱いていた。

それをタイトル「冬の1等星」と文蔵と見た星になぞらえている。

11. 永遠につづく手紙の最初の一文

「永遠完成しない二通の手紙」の二人が高校生のときの話。

岡田が寺島と仲良くなったきっかけから高校の文化祭で、体育倉庫に閉じ込められる。

その時、携帯電話を持っていた岡田だったが、すぐには助けを呼ばない。

寺田は、このあと彼女と待ち合わせしていた。結果的にそれを阻止したい意図があった。

岡田は寺田が好きだった。

岡田は、彼女とセックスをしたとき気づいてしまった。好きだからセックスをするのかと。

好きな相手となら寺田とはどうなのかと。初めて寺田のことが好きだと自覚する時の話。

そんな風に気づくこともあるのかと、視点に驚いた。

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小説「きみはポラリス」著:三浦しをん

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