犬村小六さんのライトノベル「とある飛空士への追憶」を読みました。
あるお姫様を飛行機で届ける極秘任務のお話。
ライトノベルとは思えないほどの描写表現に引きこれまた小説でした。
空や飛行シーン、身分格差のある登場人物たちの行動や感情の豊かな文章表現が光っていました。
小説「とある飛空士への追憶」を紹介します。
目次
小説「とある飛空士への追憶」概要と感想
あらすじ
身分格差がはっきりある世界で、海をはさんで常に戦っていた。
ある日、空軍兵士の主人公が極秘任務を任される。
それは婚約をひかえた姫様を、別の大陸にいる王子の元へ送り届けることだった。
しかも戦闘機ではない飛行機で、比較的敵のいないルートを通る任務。
敵機に見つかることがなければ、ほぼ成功する作戦だった。
いくつもの困難を海の上で乗り越えていく姫と兵士の2人の物語。
感性豊かな文章とテンポよく進む物語
空、飛行機そのもの、その操縦、飛空描写、登場人物の感情すべてが豊かな言葉で表現されている。
まるで、映画を見ているかのように、その情景がありありと浮かびあがってきます。
それにも関わらず、物語はテンポ良く進みます。
飛行中に起きる戦闘シーンは、とても臨場感があり、緊迫したものが伝わってきます。
読みながら、手汗を握ってしまう。
やはり映像を見ているかのような文章表現に飲みこまれてしまいました。
どのシーンも飽きることのなく、飛空の旅を最後まで楽しめました。
身分の違う2人の心の距離
主人公は、一介の戦闘機パイロット。
ヒロインは、王家の姫様。
この2人が、背中合わせの飛行機の中で数日の旅をする。
朝も夜も、空の上、海の上、無人島で過ごすことになる。
最初こそ、それぞれの立場を守るように距離感を保っていた。
敵機に狙われていくつかの山場を経てから、主人公とヒロインの関係性は変わっていく。
突然、距離感が縮まるのである。
その物語の作り、文章の展開や表現にグッと心を惹かれました。
まとめ
小説「とある飛空士への追憶」は、とても面白い小説でした。
ライトノベルというジャンルとは思えないほど、文章表現がとても豊かでした。
いっきに作品の世界観と物語に引きこまれて、パイロットの姫様の行く末を手汗握りながら、いっきに読み終えました。
本作は続編もありますが、この巻だけでもお話はしっかりまとめられていました。
1巻だけでも十分たのしめる作品です。
著:犬村小六, イラスト:森沢晴行
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