言葉はからだから、自分の声で、息づかいを持って生み出して行くことで、自分の言葉になる。

空をバックに人のシルエット

小説の文章をどうしたら、自分の形で書けるようになるか、ずっと考えています。

小説に限らず、ブログや人に見せる文章、SNSなどの短文でも、どう書けばいいか悩むこともしばしば。

先日、野口体操を中心とした『からだとことばといのちのレッスン』ワークショップを受けた際、講師の方に言葉と体を繋げたいという話をしました。

そしたら、講師の方に、内田樹さんの「言葉の生成について」を教えていただきました。

内田樹さんが大阪府の国語科教員たちの研修会に呼ばれて、国語教育について講演した内容です。

これを読んでみて、言葉は頭から作るのではなく、からだから作るのだなと思いました。

目次

固有の、自分だけのヴォイス(voice)を持て!

たいせつなのはどういう「ヴォイス(voice)」を選ぶかということだと思います。「ヴォイス」というのは、その人固有の「声」のことです。余人を以ては代え難い、その人だけの「声」。国語教育目標は、生徒たち一人ひとりが自分固有の「ヴォイス」を発見すること、それに尽くされるのではないかと僕は思います。

文章を書くのに、声は必要ないのですが、言葉を書く際、私は心の中で言葉を、声を発しています。

しかし、文章を書くとき、自分より、外を意識してしまいます。

もちろん客観的に見て、伝わる内容なのか意識する必要はあると思います。

ただ、外ばかり意識しすぎているため、こう書けば意味は伝わるだろう、面白いだろうと言ったように書いていたなと、改めて思いました。

本当に、そこに自分の声で書いているのだろうか。否でした。

ヴォイス(voice)の基本は、呼吸である!

息づかいというのは、国語ごとに違いますが、どういう主題で話しているかによっても変わるし、聴き手を誰を想定するかによっても変わる。でも、自分にとって自然な息づかいができるようになると、いくらでも言葉を語り続けることができる。

まさか、ここで息づかい、呼吸という言葉が出てくるとは思いませんでした。

文章を書く上で、呼吸や息づかいなど必要ないからです。ペンで書くにしろ、キーボードを打つにしろ、息づかいなど意識したことがありませんでした。

声を発するときでさえ、呼吸を意識することもありません。

話すことが苦手な私は、呼吸より、自分の話が伝わっているのか、話の内容がまとめまとまって話せているのかばかり考えてしまっています。

引用の、主題が何で、聴き手は誰なのか、ほとんど考えず話していました。

文章を書くときも、内容や体裁ばかりに自らを縛って書いていたなと思います。

自分のリズムがその文章にあったかといえば、否です。

言葉は、自分のからだから作る!

今まで、頭でのみ言葉を作っていたのだと思います。文章に自分の声、息づかいを宿らせようとは考えもしませんでした。

文章なんて、所詮、文字の並びだと思ってました。

野口体操のワークショップを受けたことで、私には自分の体があったことに気づきました。それまで、頭つまり意識や心と体を切り離して、物事を考えていたんだと思えました。

「言葉の生成について」の文章は、野口体操を受けて後に読んだことで、ヴォイス(voice)や息づかいというものが自分にもあると実感できるようになりました。

ペンで書くにしろ、キーボードで打つにしろ、自分の中から言葉を生み出しているのだと思い始めるようになったのです。

人が放つ魂、言霊は、からだから放たれる

「言葉の生成について」の文章をアーティストのライブに行く電車の中で読み、ライブを鑑賞しました。

ボーカリストの声が心に響くのは、声に魂や言霊が宿っているからだと、ライブを聞きながら、突然、思ってしまいました。

楽器を演奏する演奏者も自分の体を使って、音を生み出しているのだなとも、同時に思いました。

何か話すことも、文章にすることも、実はからだから作るられるものだと、会場に響く音楽に乗って心に届けられたような感覚に陥りました。

ただ書かれた文章を読むのも、リズムがあり、逆にそれを書くときにもリズム、筆者のリズム、呼吸や息づかいが刻み込まれているはずなのでは、と。

楽器の演奏や文字を書く方法が、デジタルになろうと、人が生み出す以上、その人の呼吸は宿ると思ったのです。

まとめ

普段外に向けてのアンテナは、敏感であると思う一方で、自分の内に向かうアンテナは、折られていたのではと感じるようになりました。

それこそ、心とからだを分離させてしまっていたように思います。

ワークショップを皮切りに、「言葉の生成について」の文章、ライブ鑑賞という流れで、自分の心とからだをくっつける良い機会になったと思います。

そして、言葉はからだから生成し、自分の声に乗せ、息づかいを聞かせることで、自分の言葉に成るのだと気づきました。

まず、言葉を作るには、自分の心とからだの声を聞くことが大事。

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この記事を書いた人

水島 一輝

水島 一輝

一文だけの小説も書く小説家。毎日1つ一文で完結する物語を書き、5年目1700作を超え、今も続く。Webデザイン業を経て、中学生時代から物語を書いて暮らしたいという思いが忘れられず、実現すべく作家活動を行っている。ファンタジー小説をオンラインで更新し、手製本を手がけて作品販売も行っている。

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