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小説「雪国」著:川端康成 を読んで、大人の男女を美しい日本語で描き、文章を味う深い小説!

トンネルを抜けた先の「雪国」の世界を知った。
川端康成の小説「雪国」を読みました。
タイトルと冒頭の一文は知っていましたが、そこから先のお話は、まったく知りませんでした。
読んだきっかけは、友人との課題読書企画。
いつか読むだろうけど、結局、読まずにいた本を読もうというもの。
最初こそ、入り込めませんでしたが、男と女の淡々と続くやりとりと、風景描写表現に、日本語の深みを味わえました。
味わい深い小説「雪国」
雪深い地域の温泉宿に泊まる男と芸者が、つかず離れずを描いた物語。
小説「雪国」が、大人の男女の話だと、タイトルからはまったく想像もつきませんでした。
読み始めは、少し硬い文章になかなか慣れなかった。
読み進めていくうちに、「雪国」川端康成の文体や文章展開、文章構成を理解できるようになり、作品に引き込まれていった。
物語に大きな波はない。
最後の最後にはあるのだけど、これがまた印象深く残る。
全体的に淡々と話は進んでいく。
最初こそ、それと相まって、とっつきにくい慣れない文章だったけど、とても味わい深い文章だと思えるようになっていた。
寒暖の対比
雪に囲まれた温泉街の描写は、寒く冷たい。
読んでいる本を持つ手が、かじかむくらい伝わってくる感じだった。
その一方で、男と女のやりとりが、ひと肌、体の温もりを感じさせてくれる。
寒い季節柄の中に、男女を見て、ほてる感覚もあった。
しかし、この二人は、つかず離れず。
絶妙な二人の距離感に、やきもきした。
一体、どうしたいんだこの二人は、と。
美しい日本語の文章
大人の男女の物語だが、官能的なところはない。
具体的な描写もない。
しかし、その雰囲気をどうしてか感じ取れてしまう。
二人の距離感がそう感じさせているのかもしれないが、「雪国」の文章がとても洗練されているからだと思える。
人物の描写と風景描写の対比に意味深さにも、想像がふくらむ。
こんな美しい日本語の文章を読んだのは、初めて。
ただ、少し冷たく、痛みも感じられるのは、美しさゆえ、「雪」の印象が強いからだと思えた。

