小説「標本室」by 宵待ブックス を読んで、動き回る標本たちと研究員のコミカルな展開が面白い短編小説!

小説「標本室」by 宵待ブックス
Amazon Kindleセール中!

【2ヶ月無料】「Kindle Unlimited無料キャンペーン」対象者の条件あり(4/22まで)

【最大60%OFF】「Kindle本 社会・歴史・哲学・政治書セール」対象約3,000冊以上(4/18まで)

【50%ポイント還元】「講談社|新書・ビジネス書・写真など」対象9,000冊以上(4/25まで)

【最大50%OFF】「Kindle本 高額書籍セール」対象約2,000冊以上(4/25まで)

Amazon オーディオブック「Audible」

2019年11月24日に開催された文学フリマ東京。

そこで入手したアイテムをご紹介。宵待ブックスの新作小説。

満月の夜、標本が動き出す研究室が舞台の現代ファンタジー短編小説です。

表紙カバーのタイトルは、活版印刷されていて、装丁にも作家のこだわりを感じます。

また、活版印刷された栞カードもセットでした。

大きなアクションはないが、登場人物の掛け合いや、心をもって喋ったり、走り回るキノコたちのコミカルな展開が面白い小説です。

目次

あらすじ

とある研究室の夜勤の日は、決まって、満月の日。

初めて夜勤を迎えた若手研究員の主人公とその先輩が、研究室に保管された標本の管理を夜通しする物語。

この研究室の標本は、満月の夜、なぜか意思を持って動き出す。

毛のある動物の標本が行進をしたり、鳥たちが羽ばたき、さえずき、賑やかなになる。

また、鉱物も転がり動き、乾き切っているはずのキノコも箱を飛び出して、走り回る。

そして、卒倒を何度もこらえる若手研究だったが、意思を持ったキノコと意思疎通を測っていく。

落ち着いた茶色の表紙と遊び心ある装丁

小説「標本室」by 宵待ブックスの表紙

標本が動き出し、キノコが走り出すコメディーのような物語で、私はその話を聞いただけで興味津々でした。

しかし、それを思わせない落ち着いた茶色の表紙。タイトル部分は、活版印刷されて、とても大人なたたずまい。

内容とのギャップがとても遊び心があると思いました。

さらに、面白いのが、表紙の内側です。

小説「標本室」by 宵待ブックスの表紙内側

作品の中核を担うキノコが、印刷されています。とても丁寧に書かれたキノコ。

小説「標本室」by 宵待ブックスの裏表紙内側

裏表紙の内側を見ると、手足の生えたキノコが動き回っていました。

小説「標本室」by 宵町ブックス

また、本作と合わせた栞カードもセットでした。本作を賑やかすキノコが堂々しています。

この雰囲気の期待を全く裏切ることのない小説本編は、とても面白かった。

動き走り回る標本たちと研究員たちのコミカルな展開が面白い短編小説

小説「標本室」by 宵待ブックスの本編

夜になると、本来動かない物が動き出す設定は、よくある設定ではあります。

映画「ナイトミュージアム」、はたまた人が見ていなければ動くアニメーション映画「トイ・ストーリー」。

本作「標本室」は、それらのような大胆なアクションはありません。

夜の研究室で起こることを淡々と流れ読んでいくだけ。しかし、そう思わせるのは、背伸びのない作家の立った目線で書かれる文体が、とても自然なのです。

止まることなく、スイスイと研究室で起きていることが、目の前で繰り広げられているように思えます。

標本が動き出そうが、鹿の頭骨から泣き声が聞こえようが、キノコが床を走り回ろうが、違和感がありません。

慌てふためく初めて夜勤を経験する若手研究員と何度か夜勤を経験した先輩とのやりとりも読んでいて楽しい。

全く違うリアクションする二人の掛け合いは、周囲の騒々しさのなかで、さらにはっきり浮いて見え面白いのです。

作者は、本当はキノコより、この夜勤をする二人を書きたかったのではかとも思いました。

とはいえ、物語の後半で、意思を持ったキノコと若手研究員とのやりとりには、なんとも微笑ましく、優しい世界を感じることができました。

まとめ:長編小説としても読みたい短編小説だった!

落ち着いた茶色い表紙の内側に隠された読んでいて楽しい短編小説!

本の装丁も、作家のこだわりを感じる活版印刷されたタイトルと表紙裏で賑わうキノコたち。

めくればめくるほど、作者の偏愛を味わえる一冊でした。

ぜひ、この設定で、長編化したものも読んでみたいと思うくらい、楽しめた作品でした。

本作は、BOOTHで購入できます。
標本室 – 温風 – BOOTH

宵待ブックスのTwitter:@tn_kayo

あわせて読みたい
第29回文学フリマ東京 入手アイテム一覧(感想目次) 2019年11月24日に開催された文学フリマ東京に行ってきました。 今回は、私は出店しなかったので、お客さんとしてイベントを見てきました。 出店していると、なかなか会...

宵待ブックスの小説の感想

あわせて読みたい
どうぶつ集成 by 宵待ブックス を読んで、短編集なのに長い時間、距離を旅したように感じられた面白い作... 2018年11月25日に開催された文学フリマ東京で、購入した作品。 作者の視点と文体が好きな作家さんの新作短編集。 月を詠んだ一句の栞ツキでした。 9編の短編がおさめら...
あわせて読みたい
「第25回文学フリマ東京」戦利品/ほしおさなえさん・lotto140・宵待ブックス・紙男 2017年11月23日に開催された「文学フリマ東京」。 「文学フリマ」は、プロ・アマ問わずの文学作品展示即売会です。 私自身も出店していましたが、今回も好きな作家さん...
小説「標本室」by 宵待ブックス

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

シェアはこちらから!
  • URLをコピーしました!
目次