【最大50%OFF】「Kindle本 (電子書籍) 高額書籍セール」対象3,000冊以上(11/7まで)
【待てば無料】新サービス「Amazon Fliptoon (フリップトゥーン)縦読みマンガ」
【最大50%OFF】「Kindle本 (電子書籍) 高額書籍セール」対象3,000冊以上(11/7まで)
【待てば無料】新サービス「Amazon Fliptoon (フリップトゥーン)縦読みマンガ」
映画「蜜蜂と遠雷」の公開日2019年10月4日に発売された本作。
「蜜蜂と遠雷」に登場する人物にまつわる短編集です。
コンクールを様々な形で駆け抜けた者たちの様子が、より深くわかる6編が収められていました。
涙なしには読めないエピソードもあって、「蜜蜂と遠雷」と一緒に読んで欲しい1冊です。
本作には、6編の短編集が収められています。
それぞれの登場人物と簡単なあらすじ(ネタバレあり)紹介、読んでの感想です。
コンクールを終えた亜夜とマサルが、幼少期に習っていたピアノの先生のお墓まいり行く。
掃苔とは、お墓まいりに行くことだと、初めてこの言葉を知りました。
お墓という場面に風間塵も一緒にいて、異次元の落ち着いた空気が感じられた。
その場で、それぞれがピアノでやりたいことを話しているのが、とても夢があって、何より本人たちが楽しくピアノを弾きそうだと想像できて、好き場面です。
審査員をしていた元夫婦の馴れ初め恋物語。
二人の出会いは、「蜜蜂と遠雷」の舞台となったようなコンクールがきっかけだった。
二人が出場していたコンクールの審査結果が衝撃だった。それもあって、二人が互いに意識して結ばれて行く流れは、音楽にありそうでもあった。
ナサニエルと三枝子の全く違った性格なのだが、惹かれ合うところは、国を超えても変わらないものなんだと思えた。
コンクールの課題曲「春と修羅」の作曲者・菱沼忠明の話。
時系列としては、芳ヶ江国際ピアノコンクールよりも前の話。課題曲「春と修羅」を作るきっかけになる一場面。
これは、涙なしでは、読めなかった1編。
菱沼の教え子が、家の事業を手伝いながら作曲の仕事をする中、急死してしまう。
教え子を通して、作曲家の悩みも語られていて、師弟の心温まるエピソードでもあった。
教え子の急死と重なるように、課題曲の作曲依頼が舞い込むことになることがわかった。
これで、「春と修羅」が作られる経緯を知って、「蜜蜂と遠雷」で弾いている曲に、より深みが増す印象深い話だった。
マサルが、師となるナサニエルと出会い、師弟関係を結ぶエピソード。
ナサニエルに習う前のマサルの師は、ピアノのみを専念して弾くことが、ピアノを極める唯一の方法だと信じていた。
しかし、ナサニエルは、必ずしもピアノ演奏者はそうではないと説いていた。
演奏者は、楽器を一つだけに専念する形が合うと人と、いくつかの楽器に触れることで、専門の演奏の世界観を広げる者がいると言う。
マサルは後者だった。
マサルは、ナサニエルに習いたいと思い始め、どう現在の先生から離れられるか思案する。
なかなかそのやり方も大胆だったが、ナサニエルからすれば、とても戦略的で面白い存在に映ったマサルを気に入っていた。
仲のいい二人にほっこりさせられた。
コンクール後、楽器転向を考えていた奏が、本格的にどのヴィオラにするか選ぶエピソード。
すでに候補は3つあったが、悩んでいる時に、亜夜から電話がかかってくる。
風間塵が居候するヴィオラ奏者のヴィオラが、奏の音だと言ってきたのだ。
亜夜と風間塵が揃って、奏に伝えてくるところも、ぐっと心に響いた。
なんとも、人との巡り合わせから、楽器との巡り合わせにつながるエピソードに感動しました。
楽器が弾いてもらいたく、演奏者を呼び寄せるのだと。
出だしが、誰の視点なのかわからない形で始まり、なんの期待なのかわからないが、興奮が高まっていった。
ホフマンがやってきていた屋敷の調律されていないピアノが鳴る。
調律されていないにも関わらず、ホフマンの耳を惹きつけるのである。
それを弾いていたのは、塵だった。そここにあるピアノを昔から弾いていた。
ホフマンと塵が初めて出会う短いエピソード。
「祝祭と予感」は、サブキャラにも焦点が絞られていて、「蜜蜂と遠雷」の登場人物に、深みを与えてくれました。
私は、特に涙なしには読めなかった課題曲のエピソードが印象的で、演奏者の解釈以外に、作曲者の想いがわかり、芳ヶ江国際ピアノコンクールがより熱く感じられるようになった。
そして、コンクール後の登場人物たちの動きも知れて、暖かい物語を楽しめました。
この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!