小説「祝祭と予感」by 恩田陸を読んで、「蜜蜂と遠雷」の登場人物にまつわる短編集[各編の内容/ネタバレあり]

小説「祝祭と予感」by 恩田陸の電子諸説表紙
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映画「蜜蜂と遠雷」の公開日2019年10月4日に発売された本作。

「蜜蜂と遠雷」に登場する人物にまつわる短編集です。

コンクールを様々な形で駆け抜けた者たちの様子が、より深くわかる6編が収められていました。

涙なしには読めないエピソードもあって、「蜜蜂と遠雷」と一緒に読んで欲しい1冊です。

目次

6編のスピンオフ短編集

本作には、6編の短編集が収められています。

  1. 祝祭と掃苔
  2. 獅子と芍薬
  3. 袈裟と鞦韆
  4. 竪琴と葦笛
  5. 鈴蘭と階段
  6. 伝説と予感

それぞれの登場人物と簡単なあらすじ(ネタバレあり)紹介、読んでの感想です。

祝祭と掃苔そうたい/亜夜・マサル・塵

コンクールを終えた亜夜とマサルが、幼少期に習っていたピアノの先生のお墓まいり行く。

掃苔とは、お墓まいりに行くことだと、初めてこの言葉を知りました。

お墓という場面に風間塵も一緒にいて、異次元の落ち着いた空気が感じられた。

その場で、それぞれがピアノでやりたいことを話しているのが、とても夢があって、何より本人たちが楽しくピアノを弾きそうだと想像できて、好き場面です。

獅子と芍薬/ナサニエル・三枝子

審査員をしていた元夫婦の馴れ初め恋物語。

二人の出会いは、「蜜蜂と遠雷」の舞台となったようなコンクールがきっかけだった。

二人が出場していたコンクールの審査結果が衝撃だった。それもあって、二人が互いに意識して結ばれて行く流れは、音楽にありそうでもあった。

ナサニエルと三枝子の全く違った性格なのだが、惹かれ合うところは、国を超えても変わらないものなんだと思えた。

袈裟と鞦韆ぶらんこ/菱沼忠明

コンクールの課題曲「春と修羅」の作曲者・菱沼忠明の話。

時系列としては、芳ヶ江国際ピアノコンクールよりも前の話。課題曲「春と修羅」を作るきっかけになる一場面。

これは、涙なしでは、読めなかった1編。

菱沼の教え子が、家の事業を手伝いながら作曲の仕事をする中、急死してしまう。

教え子を通して、作曲家の悩みも語られていて、師弟の心温まるエピソードでもあった。

教え子の急死と重なるように、課題曲の作曲依頼が舞い込むことになることがわかった。

これで、「春と修羅」が作られる経緯を知って、「蜜蜂と遠雷」で弾いている曲に、より深みが増す印象深い話だった。

竪琴と葦笛/マサル・ナサニエル

マサルが、師となるナサニエルと出会い、師弟関係を結ぶエピソード。

ナサニエルに習う前のマサルの師は、ピアノのみを専念して弾くことが、ピアノを極める唯一の方法だと信じていた。

しかし、ナサニエルは、必ずしもピアノ演奏者はそうではないと説いていた。

演奏者は、楽器を一つだけに専念する形が合うと人と、いくつかの楽器に触れることで、専門の演奏の世界観を広げる者がいると言う。

マサルは後者だった。

マサルは、ナサニエルに習いたいと思い始め、どう現在の先生から離れられるか思案する。

なかなかそのやり方も大胆だったが、ナサニエルからすれば、とても戦略的で面白い存在に映ったマサルを気に入っていた。

仲のいい二人にほっこりさせられた。

鈴蘭と階段/奏・亜夜・塵

コンクール後、楽器転向を考えていた奏が、本格的にどのヴィオラにするか選ぶエピソード。

すでに候補は3つあったが、悩んでいる時に、亜夜から電話がかかってくる。

風間塵が居候するヴィオラ奏者のヴィオラが、奏の音だと言ってきたのだ。

亜夜と風間塵が揃って、奏に伝えてくるところも、ぐっと心に響いた。

なんとも、人との巡り合わせから、楽器との巡り合わせにつながるエピソードに感動しました。

楽器が弾いてもらいたく、演奏者を呼び寄せるのだと。

伝説と予感/ホフマン・塵

出だしが、誰の視点なのかわからない形で始まり、なんの期待なのかわからないが、興奮が高まっていった。

ホフマンがやってきていた屋敷の調律されていないピアノが鳴る。

調律されていないにも関わらず、ホフマンの耳を惹きつけるのである。

それを弾いていたのは、塵だった。そここにあるピアノを昔から弾いていた。

ホフマンと塵が初めて出会う短いエピソード。

まとめ

「祝祭と予感」は、サブキャラにも焦点が絞られていて、「蜜蜂と遠雷」の登場人物に、深みを与えてくれました。

私は、特に涙なしには読めなかった課題曲のエピソードが印象的で、演奏者の解釈以外に、作曲者の想いがわかり、芳ヶ江国際ピアノコンクールがより熱く感じられるようになった。

そして、コンクール後の登場人物たちの動きも知れて、暖かい物語を楽しめました。

著:恩田陸
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