小説「薔薇のなかの蛇」著:恩田陸の感想

小説「薔薇のなかき蛇」著:恩田陸 表紙
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恩田陸さんの長編小説「薔薇のなかの蛇」を読みました。

理瀬という少女が出てくる理瀬シリーズ17年ぶりの新作。

久しぶりに理瀬シリーズを堪能できた。大好きなシリーズです。

理瀬が大学生になり、留学先で事件に巻きこまれる。ヨハンも出てきてどうなるのか、ワクワクしながら、最後まで楽しめました。

恩田陸さんの長編小説「薔薇のなかの蛇」を紹介します。

著:恩田陸
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目次

物語

イギリスに留学中のリセは、友人から「ブラックローズハウス」という館のパーティーに招待される。

館の主が、秘宝を披露するという。

館の近くでは、「祭壇殺人事件」という事件が起きていた。

秘宝がなんなのか期待が高まる中、館の中でも悲劇が起きてしまう。

館は、呪われた館。過去の呪いになぞらえられて、悲劇は進んでいく。

リセは秘宝や館の謎に挑む。

成長した理瀬とゴシックミステリー

冒頭から不穏な雰囲気ではじまり、恩田陸さんの不思議ワールドに引きこまれます。

大学生に成長した理瀬が登場して、場の雰囲気が変わるのもよかった。

理瀬がもつ独特の不思議感と、なにかを見抜く尖鋭のまなざしは、昔のまま大人に成長していました。

館の外で起きた「祭壇殺人事件」が、じわじわと館に近づいてくる緊張感。

古くからある館のミステリーを理瀬が解いていくワクワク感を楽しめました。

また、ヨハンも成長して現れて、ヨハンらしい見識もワクワクさせられました。

少し残念なところは、理瀬視点ではない

ちょっと残念だったのは、視点が理瀬視点ではなかったこと。

イギリスの田舎にある館が舞台で、別の登場人物視点で語られている。

それもあって、英国のゴシックな雰囲気を味わうことができた。

また、客観的に理瀬を見聞きすることもできている。

成長した理瀬を、他者視点から見る効果はよかったと思う。

ただ、少し理瀬と距離を感じられたことが残念だった。

まとめ

17年ぶりの理瀬シリーズ新作。ゴシックミステリー。

最後までワクワクしながら、恩田陸さんのちょっと不思議世界を堪能できました。

終わり方も恩田陸さんらしい不思議を残した幕の閉じ方。

そして、このシリーズの続きがあると匂わせる終わり方でもあった。

またいつか続きが出るのかな。そうなれば、また楽しみです。

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