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男子高校生二人の日常ミステリ。
本作の作家・米澤穂信さんを、「氷菓」シリーズと言う日常ミステリで知りました。
その方の新作で、高校生で日常ミステリという内容だけで、手にした作品です。
日常ミステリなので、一般的なミステリ小説に比べると派手さや大ごとさが、前面に描かれてはいません。
しかし、謎を追っていくと、陰に潜んでいた想像もしない物語に引き込まれていきます。
高校2年生の男子図書委員二人が、紐解く日常ミステリ小説。
6編一つ一つ完結する形となり、夏前から冬の高校生活を通して描かれています。
図書室に舞い込む相談から謎が生まれて、推理が始まるミステリがベースです。
全体的には、ミステリよりも友情の話が色濃く描かれている印象を受けました。
淡々と進む謎解きで、男子二人の仲も深まっていく様子も面白いところでした。
ミステリ小説によくある派手な謎解き、殺人事件、難解なトリックというものは出てきません。
日常ミステリなので、開かずの金庫を開けて欲しいとか、自殺した同級生が最後に読んでいた本を知りたいと言った内容。
ミステリのきっかけは、そう大きなものではありません。
しかし、物語が進むと、日常の陰に潜む人間の裏道に迷い込んでいきます。
どの物語も、当初の目的からは想像できない深い理由に行きつき、本作の奥深さを知りました。
私が読み始めてから感じていたのは、どこかずっときな臭さが漂っているところです。
それは、図書室特有の紙の匂いか、主人公二人の関係性なのか。
作中、様々な本が登場します。
その本に対する感想や見解も興味深く、普段なんとなくでしか知らない図書業界についても触れられて、面白い部分もあります。
1編1編、筋も通って物語も着地しているはずなのに、足が浮いている感覚に陥ります。
物語が進むにつれて、男子二人の仲も近くなる一方で、見えない部分、もっと知りたい部分が現れてきます。
それ以上踏み込んではいけない線。
そこに、日常ミステリの題材が埋め込まれています。
本作の題材選びや構成に、大きな衝撃はなくとも、ゆっくりと着実に心に染み入ってきました。
著作に同じく高校を舞台にした日常ミステリ「氷菓」古典部シリーズがあります。
それに比べると、明るさや賑やかさはありません。
むしろ、表向きには感じられないけれど、全体を支える人一人一人の心の奥深さが描かれています。
最後の最後まで、きな臭さを感じさせながら、読者を引っ張っていく不思議なミステリ作品でした。
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