小説「オズの魔法使い」by ライマン・フランク・ボーム 柴田元幸訳 を読んで、鬱々とする現代人へのメッセージすら発している文学作品だった!

小説「オズの魔法使い」by ライマン・フランク・ボーム 柴田元幸訳 の表紙
Amazon Kindleセール中!

【最大50%OFF】講談社「桜の下には何がある?『ちょっと怖い話』フェア」対象約250点(3/28まで)

【198円均一】講談社「リニューアル4周年!『小説現代』」大感謝祭」対象一部休刊78冊(3/31まで)

【最大50%OFF】「春のコンピュータ・IT書フェア 出版社合同」対象1,600冊以上(4/1まで)

【最大50%OFF】「6社合同!マンガで学ぶ「日本の歴史」シリーズ大集合」(4/4まで)

【最大50%OFF】講談社「新年度が始まるよ!春の入門書フェア」対象約400冊(4/4まで)

初めて「オズの魔法使い」という作品に触れました。

今までに映画や絵本を見たこともありませんでした。

物語はなんなとく知っています。少女が脳味噌が欲しいかかしや勇気が欲しいライオン、ブリキの木こりとともに、それぞれの願いを叶えてもらうストーリー。

でも、この程度で、私は、てっきり主人公はオズという少女だと思っていました。

想像していた冒険物語とも違い、子供向けとはいえ、大人でも考えさせられることも多かった作品でした。

目次

オズという魔法使いがいる世界が舞台

主人公の少女はドロシー。

初っ端から、オズじゃないんだと驚きました。オズは、エメラルドの国にいる偉大なる魔法使いでした。

見知らぬ土地に飛ばされてしまったドロシーが、そのオズに会いに行って、元の家に帰してもらうとお願いに行きます。

足りない足りないとわめく個性的キャラクター

わらで出来たかかしは、脳味噌がないから何も考えられないと言います。

でも、幾度となく知恵を出し、危機を乗り越える機転を生み出し続けていきます。

ブリキの木こりは、心臓(心)がないから優しくない、人の気持ちがわからないと言います。

しかし、誰よりも仲間に気を配り、親切に接し続けます。

ライオンは、自ら弱虫で、勇気がないと言います。

それでも、自分の大きな体を生かし、大きな叫び声で相手をビビらせ、敵に立ち向かい続けます。

ドロシーと一緒に、その足りないものをもらおうと、彼らもオズに会いにいきます。

結果的には、オズにそれぞれ足りないものをもらうのですが、それがとても面白かったです。

作者の遊び心が感じられつつも、読者へのメッセージ性も強く感じられました。

足りないものに誰も文句は言わず、けれど互いを尊重し合う関係性が、子供だけでなく大人も見習うべき点のように受け取りました。

設定がファンタジー

訳者あとがきに書かれていましたが、ドロシーの愛犬も物語中ずっと登場していますが、一度も言葉を話すことがありません。

かかしやライオンたち、いろんなところで登場する動物たちは、言葉を話すのに、愛犬だけは話しません。

あとがきで指摘を受け、あえて物語の設定に、まじめに従っていないところもなかなか面白い点だと感じました。

弱虫なライオンが、勇気がある振る舞いをし、それでも仲間たちはそれにツッコミを入れません。

また、難所はあれど、道筋がしっかり見えて前に進んでしまうところや、ドロシーを誰も子供扱いしない点も考察すると、深い意味が隠れていそうだと思いました。

13の続編がある

オズの魔法使いは、これで完結かと思いましたが、続編があと13もあることに驚きました。

続編で、どんな物語が描かれてるのか、とても興味を持ちました。

ライマン・フランク・ボームによるオズシリーズは、14作。

また、別の書き手によって、物語は続いていたと知り、とても人気作品なのだと改めて感じました。

まとめ

個性的なキャラクターや、物語の設定にあえて沿わない不思議なストーリーは、読者に想像させ、楽しませてくれます。

普通、矛盾することがあるとなかなか面白いとはいえないのですが、その設定が深みや作者のメッセージとしての意図を感じます。

オズの魔法使いは、様々な角度から見ることで、単なる児童文学ではなく、鬱々とする現代人へのメッセージすら発している文学作品だと思いました。

合わせて読みたいオススメ小説

あわせて読みたい
ピノッキオの冒険(著カルロ・コッローディ)原作小説は、現代社会をも風刺しているようにも読める深い... ピノキオといえば、誰でも知っている童話。その原作小説「ピノッキオの冒険」を読みました。 大人が読んでもすごく面白かったです。もちろん文章は、子供向けとして書か...
あわせて読みたい
小説「十二国記 月の影 影の海」by 小野不由美 を読んで、濃密な描写による骨太な物語で、最後まで気が... 小野不由美さんのファンタジー小説「十二国記」シリーズの第一弾作品。 「十二国記」という作品があることは知っていたけれど、読まず嫌いの体で、読もうとは思っていな...
小説「オズの魔法使い」by ライマン・フランク・ボーム 柴田元幸訳 の表紙

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

シェアはこちらから!
  • URLをコピーしました!
目次