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小説「活版印刷三日月堂」シリーズの4作目。
5巻、6巻が発売されていますが、番外編で、4作目が本編完結作となっています。
完結作ということもあって、三日月堂の集大成に向かう流れでした。
また、1編1編視点の変わる作風は変わらず、活版印刷を通して、成長していく登場人物や3巻までの登場人物が再び出てきて、困難を超えていく姿に感動しました。
本作には、4編のお話が収められていて、1編1編の感想をご紹介します。
プラネタリウム館のリニューアル中に発見された木版で刷られた星座早見盤。
このプラネタリウムが開業当時に作られたもの。今回のリニューアルに合わせて、その木版で星座早見盤を復刻させる過程を描く物語。
その木版が三日月堂に持ち込まれることになり、同時に吸い寄せられるように人々が集まり、印刷に悪戦苦闘します。
静かだが情熱を燃やす登場人物に感動した1編。
毎回、三日月堂が成長していくところも好きです。
ゼミの課題で、川越のことを紹介する雑誌・ZINEを作って販売をする学生3人の成長を描く。
その3人は、それぞれ苦手意識や就職活動をしていて、人間関係を含めて、上手く課題をこなせるかどうか不安だった。
参考に見た雑誌に載っていた活版印刷三日月堂を訪れたことで、3人はZINE作りに希望を抱く。
川越の街の人が思う街に点在する木をコンセプトに、活版印刷した1枚にまとまることになった。
作り手とそこに住む人々の思いが活字で、言葉が残される過程に胸を打ちました。
言葉にも根っこがあるのかもしれない。目に見える葉や幹の下に根っこが伸びて、土の中に広がって……。地面のなかでほかの根っこと出会ったり、からまりあったりしているのかも。
164ページ
ZINE作りを通して、一人の学生が言葉について思った部分に、とても共感できました。
言葉は木なんだと、私も思えました。
土から上に見えている部分が、言葉として見えている部分。根っこの見えない部分があるから、土から上の部分が立っていると思いました。
言葉にもその人の根っこ、背景や思いがあって、表面だけじゃなく根っこの部分の言葉も感じとっていきたいなと思えました。
前章で作られた「街の木の地図」や他のゼミ生で作れらたZINEを販売する会場となった古書店店主の物語。
店主が作る書店からの毎月のお知らせペーパーに、書かれるコラム「雲日記」を本にしたいと、大学時代の旧友から声をかけられるも、店主は断ってしまう。
店主が学生時代に小説の賞を取ったにもかかわらず、本を作らない理由。そして、短いコラムだけ文字をなぜ綴るのか。
紆余曲折ある店主の人生と、コラムを本にしない理由が深く心に染みました。
活版印刷で本を作るお話。もちろん、舞台は、活版印刷所の三日月堂。
しかし、印刷機の操作も不慣れで、店主の弓子一人では本を作ることはできなかった。
活版印刷で本を作るのは、工程も時間もかかり、断ろうとするも周囲の人々の協力で、本の制作に取りかかることに。
今まで三日月堂の活版印刷に関わってきた人たちが集い、本を完成させる情熱が1文字1文字に宿り、胸が熱くなりました。
過去の登場人物が成長し、店主である弓子も大きな決断をしながら前に進む姿がとても輝いて見えました。
完結作とされた4作目。今までの登場人物が助けあって成長していく感動作でした。
また、三日月堂の行く末を占う1冊でもありました。
弓子の気持ちを察する古書店の最後の魔法の仕掛けには、キュンとしました。
多くの登場人物が人生の岐路に立ち、自らがそれぞれの人生を進んでいく姿に力をもらい、本作から決断や迷いからの脱却を学ぶ自分がいました。
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