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小説「活版印刷三日月堂」シリーズの6作目。
4作目で完結とされた本編の後日編として、あれからの三日月堂やそこに関わる人々のその後が描かれています。
一番気になる三日月堂店主の弓子のその後もしっかりと描かれていて、納得できた形で最後まで読むことができました。
懐かしいと思える登場人物たちの成長も描かれていて、とても豊かな気持ちにさせられました。
初版本には、活版印刷された1ページが一緒に閉じられていました。
他のページの印刷と字の根づきや印象の強さが違います。
各編の紹介と感想をご紹介します。ネタバレは、ほんの少しだけあります。
1~4巻に登場した人物や新作の活版作品も登場します。
川越の観光案内所で働くマンドナというあだ名の女性と仲間たちが、富山に旅行に行く。
直接、活版印刷と触れ合うことはなかったが、ガラス工芸体験を通し、物作りの興味を深めるシーンがありました。
マドンナは、物づくりが自分には向かないと判断します。
この体験が、自分の判断を決定づける価値の大きさに気づき、納得するシーンはとても印象的でした。
ただただ想像を巡らせていた人が、たった1回の体験という価値で、人が変わってしまった。
体験して気づく姿がとても素敵でした。
高校文芸部の二人が卒業文集冊子作りを通して、お互いそれぞれの道を歩む心境が描かれる。
文集を読み合って、人の文章を羨む意識が自分を苦しめるところは、同じ書き物をする私も痛く共感しました。
以前、活版印刷のワークショップで作った栞の意味などが語られ、活版印刷された言葉の温かさが印象的でした。
生まれたばかりの子供の名前だけを刷ったファースト名刺を作った少年がいる家族の話。
ファースト名刺は、三日月堂で作ったもの。
その少年が中学受験を控え、将来の夢を語る中で、社会を活版印刷所のような裏側に例える。
幼いながらに覚えていた活版印刷所の機械や壁に並べられた活字棚の光景が、まさに言い当てているように思えました。
そして、子供の成長する姿に嬉しさを覚えた1編でした。
三日月堂店主の亡き母の短歌集を活版印刷で作ることになった。
母の友人らや先生が集まり、故人の歌を選ぶ。どの歌も心にしみて胸が熱くなりました。
進路を決めかねていた三日月堂のバイト楓が、大人たちの会話を見て、進路を決める。いい場にいられて良かったと、読者ながら思ってしまった。
楓は、祖母の家の庭に生える植物をモチーフにして活版作品を作っていた。
しかし、高齢となった祖母の生活を考え、家と庭をどうするかという問題も浮上する。
人への想い、楓の行く末が重なって、胸が熱くなったお話でした。
和紙の工場見学へ行く。
その工場は、ただ紙をすいて作るのではなく、紙の元となる木も自分たちで育てていた。
印刷にはかかせない紙だが、和紙すき体験は経験があるものの、木から作るところはとても興味深かった。
また、活版印刷とDTPとの比較から、社会の裏側で見えない作業が尊く感じられもしました。
三日月堂店主のその後も語られていて、とてもほっこりしたお話でした。
卒園用の記念アルバムの表紙を活版印刷で作る。
その表紙のデザインは、園児と親が一緒に作るというもの。
園児たちの思い出、親の眼差しが活版印刷で紙に残されて、胸が熱くなりました。
また、園長先生の視点で、三日月堂店主の幼少期から大人の姿までをと描かれ、感慨深い内容で締めくくられていた。
本作の最後にふさわしい1編で、とても幸せにしてくれるお話でした。
三日月堂のその後が、様々な登場人物の視点で描かれている1冊。
5巻までに1度は登場した人物たちが成長したり、これからを進んでいく姿に、私自身この小説を通して、自分なりに進んでいこうと思えました。
本作の物語の行く末として、みんなが幸せで良かった!
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