小説「移動都市」著フィリップ・リーブを読んで、移動する都市の世界観と冒険にワクワクした!

長編小説移動都市の本表紙

長編小説「移動都市」は、2007年度の海外長編部門・星雲賞受賞作です。

SF小説ではあるけれど、廃スチームパンクのようでハラハラする冒険小説でもありました。

SF小説とは言っても、難解な科学的な用語が多様に出てくるわけでもありません。むしろ少なく、物語に重点をおいて話は進んで行くので、楽しく読み進められました。

久しぶりに読んでいてワクワクする小説と出会うことができました。そんな小説「移動都市」の感想です。

移動都市の小説を読むきっかけは、映画化

映画化されるというトレーラーを見て、一気にこの世界に引き込まれました。機械の城のような都市が、口を開けて、食うところは迫力ありました。

この世界や、その都市の中はどうなっているのかだろうか、想像せずには入られません。そして、どんな物語なのか早く見たいと思いました。

しかし、劇場公開は、2019年のようです。

ただ、原作小説があるとわかり、映画を待ちきれず、この作品を読んでみたいと思い、原作小説を買いました。

海外版の長めの予告映像もありますが、物語の展開や都市の内部が出ているので、あえてリンク紹介まで。

少年と少女が出会って、大地を冒険する物語

物語の世界は、60分戦争で文明が荒廃した未来。都市の名前のついた機械仕掛けの城が、他の都市を食いながら移動している世界。

主人公は、移動都市ロンドンに住むギルド見習い。ある日、ロンドンが食った都市にいた顔に傷のある少女が、突如ギルド長の命を狙う。

主人公によって危機を回避したギルド長……。

しかし、その少女と主人公は、都市の外、荒野に出されて、ロンドンを追うことに。

わかりやすい描写の文章で、どんどん進む物語

最初のうちは、なかなか都市の中を想像できなかったのですが、物語が動き出すと一気に世界観が広がった印象でした。

その場の描写も細かく書かれていましたが、くどくなく、さらなる想像の余地を残してくれています。

また、登場人物の多視点構成で、それぞれの状況がわかりやすく描かれていました。その登場人物も個性的でした。

主人公の少年と少女が、荒廃した大地に出たことで、都市に隠されたテーマがわかり始めます。

いくつかの真実を知って、少年と少女の揺れ動く心にも注目です。

私は、どんどん進んで行く展開に飽きも来ず、この先どうなるのか、楽しみながら読んでいました。

思わぬ場所にも主人公たちが行くので、それも良かったなと思いました。

移動都市は、四部作の一作目。続きを読みたい!

本作の中での冒険も広い世界観を味わうことができました。形としては、終わりを迎えていますが、続きがあるということは、まだまだ別の都市があるということ。

作中に、名前はあっても実際には出てきていない都市もあります。いったいどんな都市なのか、興味が湧きました。

さらなる移動都市世界の冒険をしたいと思いました。

この記事を書いた人

水島 一輝

水島 一輝

一文だけの小説も書く小説家。毎日1つ一文で完結する物語を書き、5年目1700作を超え、今も続く。Webデザイン業を経て、中学生時代から物語を書いて暮らしたいという思いが忘れられず、実現すべく作家活動を行っている。ファンタジー小説をオンラインで更新し、手製本を手がけて作品販売も行っている。

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