赤川次郎さんのミステリー小説「死者の学園祭」を読みました。
学園モノのミステリーを読みたいと思って、手にした作品です。
1977年に書かれた作品で、当然スマホやネットのない設定でも現代的な世界観に置き換えても楽しめたミステリー小説でした。
学園モノ、ミステリー、女子高生が主人公、青春がひとつに合わさったミステリー小説。
面白かったところ、気になったところを感想ふまえて紹介します。
目次
探偵役の主人公は女子高生
女子高生が主人公で、探偵役。
いまでは普通にありそうな設定。1977年当時は、きっと珍しい設定だったのではないか思えます。
学校内で起きた事件がなかなか進展せず、警察は頼りならないとみずから調査をはじめます。
面白かったのは、事件だけを追うのではなく、学校生活やお年頃としての恋にも追われるところ。
夏休みや試験勉強、出会った男性との恋を進展させたりと、大忙し。
それらが事件とつながっていったりと、物語の展開も楽しめました。
読みやすい
赤川次郎さんの作品を読んだのは、高校生以来。
あまり本を読み進められない性分だった学生時代。唯一、すらすら読むことができた小説だった気がします。
久しぶりに読んで、やっぱり読みやすかった。
会話部分が多いのもあったけど、文章がわかりやすい。もちろんト書きもしっかり書かれています。
それでも、文章ひとつひとつがとらえやすい言葉で表現されているからだろうと思えます。
その点、描写に物足りない部分もあったりします。もっと濃厚に描いてほしいと思ったりも。
でも、そうすると全体の軽さがなくなってしまい、文章全体の良さが削られてしまうとも思えました。
真相解明
コレは、ネタバレに当たるかもしれません。気になる人は、ここからは読まない方がいいかも。
ミステリーの醍醐味、事件をあきらかにする場面。
てっきり主人公である女子高生探偵が、きっぱり真実を明らかにするかと期待していたのですが、予想していない形で明らかにされます。
それはそれで、この作品のコンセプトとも言えるので、おもしろい展開ではありました。
でも、ミステリーとして、探偵モノとしては、ちょっとモヤモヤ感が残ってしまった。
とはいえ、結末はしっかり描かれて、学園ミステリーとしても爽やかな終わりをむかえられていたので、楽しめました。
まとめ
久しぶりに読んだ赤川次郎さんの小説。
現代的なスマホやネットがないこと、社会の状況に違いがありますが、学園ミステリーとして最後まで楽しむことができました。
文章も読みやすく、これからミステリーを読んでみたい人には、最初の一冊としてもオススメです。
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