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一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年3月集
一文物語 1 急がないと、と彼女はまっすぐ壁を突き破っていった。 2 深深と降る雪の音を聞いた少女は、誰に見られることもなく、その小さな重なりに愛おしさを覚え、涙... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年2月集
一文物語 1 プラネタリウムで星々を見ていたら、突然轟音とともに宇宙が落ちてきた。 2 難破した老人はクジラに飲み込まれて腹の中で生活し、時折数十匹の魚が飲み込ま... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2016年1月集
一文物語 1 誰かそちら側から年をあけていただけませんか。 2 早朝、一年の思いを固めるため、滝行を行っていると、意思を固めた誰かが落ちてきた。 3 家出した妻を追い... -
自分を生きる
2016年6月までの一年間の変化
2015年の起点から一年後に書いた記事。 2015年から2016年の一年は、大きく変化のあった年だった。 2015年時点で、自分が本を作るとは思ってもみなかったし、イベントに... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年12月集
一文物語 1 流れてきた死体の上で、カエルがゲロゲロと死者に代わって人生の極みを吐露している。 2 一国一城の主となった老人は、急階段で、忠誠を示す者らに持たせた... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年11月集
一文物語 1 夜、家に帰ると、部屋の鉢植えが倒れて土が散乱していて、植物たちが脱走を企てたようだか、一メートルも進まず失敗していた。 2 たとえ話しかしなかった彼... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年10月集
一文物語 1 上に進むしかないハシゴを行列になって進んでいると、急病の女性を抱えて降りてくる男性たちとどかない人たちの間に交渉の余地はなく、時間に迫られ段を登ら... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年9月集
一文物語 1 変色して心の奥底にこびりついて色あせたゴミを取り除くことも忘れることもできなかった彼女は、自らゴミ箱に飛び込んだ。 2 笛が鳴り、先生の全員集合の声... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年8月集
一文物語 1 ビビッと雷を受けて、立派に樹立した大木が、鬱蒼と生い茂る草むらの穴に倒れ入る。 2 男はまだ離れたくないと、目をうっとりさせながら手を振る彼女の元に... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年7月集
一文物語 1 自動販売機でお金が買える時代になり、投入口に自分の臓器を入れる輩も出るなか、新しい教えを布教させる資金が欲しかった彼は、投入口に教えを語りかけると... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年6月集
一文物語 1 ひとつだけ月に置いてあるイスに座ったものが、次の月の王となり、いつ地球人がやってくるか、月の裏側で宇宙人が観察している。 2 ぼけてしまった老人は、... -
一文物語アーカイブ
一文物語365 2015年5月集
一文物語 1 彼のエンドクレジットは、すぐに流れ終わった。 2 彼はこれから日々、どうやって生きていこうかという人生設計書を書き終えると、それが模範的な人生で幸せ...